「選ばれてうれしいだけで終わってはいけない」大橋翔大(中京大学)
日本学生選抜は関東勢以外から中京大学2年の #67 大橋翔大と東海大学九州1年の #33 大館秀太、2人の2メートルが選出された。日本学生選抜を率いる大東文化大学の西尾吉弘監督は、白鷗大学の網野友雄監督とともにU22日本代表のスタッフとして、フリオ・ラマス元ヘッドコーチやトム・ホーバスヘッドコーチが示す日本代表のスタイルを大学生世代に落とし込んでいる。特にラマスヘッドコーチ時代はサイズアップやポジションアップに注力し、選手発掘をしていた1人が天理大学の川真田紘也(長崎ヴェルカ)である。パリオリンピック出場には一歩届かなかったが、日本代表のビッグマンとして成長著しい。プレータイムに関係なくビッグマンにチャンスを与える方針は変わらない。
2戦目の白鷗大学戦で、大館と大橋は揃って3ポイントシュートを決めた。中京大学の松藤貴秋監督もまたU22日本代表のスタッフであり、「大学でもスリーポイントを持たせてもらっています。空いた時にはしっかり打って決めること、中京大学には留学生がいるのでそこへパスを合わせたり、ミスマッチであればポストファイトしたり、試合中はそのプレーを意識していました」と大橋は練習の成果をWUBSで試す。
海外のチームとは初戦の高麗大学戦だけであり、大橋がコートに立つ機会はなかった。だが、白鷗大学と日本体育大学のビッグマンを相手に、「普段から練習してきたディフェンスを生かすことができました。フィジカルの差も感じたので、もっと体重を増やして外に押し出すことができるようにしていきたいです」と答え合わせができ、今後に必要な課題を知る機会となった。
WUBSでの3試合を終え、「ディフェンスをしてブレイクを出すチームの約束を守ってプレーできたのは良かったです。個人としては、3ポイントシュートをフリーで打てた場面も何本かありましたので、そこはしっかり決め切れるようにしたいです」という大橋にとって、同世代のトップ選手と過ごせた時間を喜ぶ。
「でも、うれしいだけで終わってはいけないとも思っています。中京大学に戻ってからもウエイトトレーニングや個人スキルをもっと上げていって、次の機会があれば今以上に力を発揮できるようにしなければいけないです。日本の中では大きいですが、海外のチームは190cm台が最低身長のチームも普通なので、ディフェンスのフットワークをもっと強化していきたいです。このメンバーに呼んでいただいたことに感謝し、今大会で経験したことは中京大学に戻ってからも落とし込んでいき、また呼ばれるようにがんばります」
文・写真 泉誠一