「足りない部分と通用する部分が明確になり、チームに持ち帰って還元したい」広瀬洸生(青山学院大学)
世界大学バスケットボール選手権「World University Basketball Series 2024」(以下WUBS)に出場した日本勢は白鷗大学と日本体育大学、そして日本学生選抜の3チーム。しかし、初出場の日本体育大学が、昨年の優勝校である国立政治大学(チャイニーズ・タイペイ)に敗れる。続いて、昨年大会の準優勝チームとして期待値の高かった白鷗大学もシドニー大学(オーストラリア)に敗れ、日本勢最後の砦となった日本学生選抜は韓国の高麗大学と対戦。今年5月には第47回李相佰盃日・韓大学代表バスケットボール競技大会が開催されたが、韓国学生代表に1勝2敗で負け越している。1・2年生が中心の若き日本学生選抜は奮闘し、第3クォーター終了時点で8点リードしていた。しかし、韓国の勝負強さなのか、3日間しか練習期間がなかったことでのチーム力不足なのか、72-79で逆転負け。日本勢は3連敗に終わった。
先発は3年生の #2 塚本智裕(大東文化大学/PG)、2年生の #27 坂本康成(筑波大学/SG)と#12 広瀬洸生(青山学院大学/SF)、#17 横山蒼太(東海大学/C)、今年の関東大学新人賞に選ばれた佐藤友(東海大学1年/PF)の5人。唯一、スモールフォワードの広瀬だけが、関東大学2部リーグの青山学院大学から選出。接戦となった高麗大学との第4クォーター勝負の終盤、広瀬はベンチで戦況を見つめていた。
「もっとペイントアタックをして少しでもフリーの状況を作れるように、まずディフェンスを寄せてパスをさばいたり、アタックしたり、もう攻め続けるしかないと思っていました」
広瀬自身がコートに出ているときの反省点として、「チームとして流れが止まってしまって、自分らしいプレーができなかったところがありました」。今回のスタッツに+/-(出場時間の得失点)は集計されなかったが、広瀬が出ていたほとんどの時間帯は高麗大学にリードしていた。「フィジカルの部分やドライブは通用したと思います」と11点を挙げ、インパクトを残した。
福岡大学附属大濠高校出身の広瀬は、高校時代に日本一を目指してしのぎを削り合った仲間たちとまた一緒にバスケができ、「とても楽しかったです」と充実した日々だった。「コートの中でもベンチでもしっかりみんなが声を出して、良いチームができています」と同世代の若いチームだからこそ、思いっきりプレーできた。WUBSで輝きを見せた広瀬が、1部昇格へ向けて変わらぬプレーで引っ張って行く。
「海外のチームと対戦する機会はなかなかないので、自分のプレーがどこまで通用するか挑戦しました。足りない部分と通用する部分が明確になり、チームに持ち帰って還元したいです」