キャプテンの手腕だけではなく、見た目にも注目!?
関東大学スプリングトーナメントの決勝に話を戻し、キャプテンの見解は「ターンオーバーが多かった」と敗因を挙げた。確かに20本は多かったが、先発ポイントガードの #30 齋達也も、交代で入る當山も1本で凌いでいたのは及第点。3年間切磋琢磨してきた齋について、「冷静に行くタイプ。そこでうまくいかなかったときに自分が出て、ブレイクを出して走るバスケットスタイルに変えていく。そこを決勝でも狙っていました」。異なるタイプだからこそ、相手にとっては守りづらい。フィールドゴール試投数は53本で、日本体育大学を8本も上回ってチャンスを作れていただけに、「うまく得点に結びつけられなかったのが痛かったです」と當山は悔やむ。
3年連続ベスト4に入り、2年ぶりに決勝まで上り詰めた要因について、「もう一番はメンツ。素晴らしい選手が揃っています」という當山は、頼もしき仲間の名前を次々と挙げていく。その最初に出たのが、2年前のウインターカップで日本一になり、鳴り物入りで専修大学に加わった介川アンソニー翔だった。2年生となり、決勝では17点を記録。「冷静にプレーできるので、困ったときはお前がやっていいよ」と佐々木監督もオフェンスに全幅の信頼を寄せる。課題のディフェンスも、少しずつだが成長が見られ、大学バスケに順応してきている。
市場とともに、能力者軍団を独特な空気で統率する當山の手腕を今シーズンは楽しみにしたい。以前、就職支援会社と仕事をした際、強豪運動部のキャプテンは企業からも期待が高いという話を聞いた。野球やサッカー、ラグビーと比べれば、少人数であるバスケだが、それでも30人ほどいる部員をまとめることは、今後の人生を豊かにする大きな経験になるはずだ。
今大会は休みなく5連戦を全うしてきたが、決勝ではヘアスタイルが変わっていた。「美容師の友だちがいまして、決勝前にちょっと変えてみないかと言われ、お願いしますってやってもらいました。1時間半くらいで、それほど時間はかからなかったです。ここら辺も注目していただきたいです(笑)」と言うとおり、當山のペースにハマってしまっている。この空気感が、専修大学にとって吉と出るか…。まだシーズンははじまったばかりだが、半年後が今から待ち遠しい。
文・写真 泉誠一