「チーム全体として、試合の中での対応力は高まっていた」
来年度の関東大学バスケットボールリーグ戦1部が14チームから12チームへ減るため、下部リーグもところてん方式に下位2チームが自動降格される。2部に昇格したばかりの玉川大学は、4勝18敗の11位で3部に逆戻りする結果となった。
残り2試合を残した時点で4勝16敗、11位の玉川大学が降格圏外を脱出するには、ひとつ順位を上げなければならない。6勝14敗の関東学院大学がターゲットとなり、直接対決は1勝1敗だが、得失点差で玉川大学6点上回る。勝率で並べば、順位が入れ替わる。望みをつなぐためにも勝たなければならなかった東洋大学戦。気迫を見せ、第3クォーターを終えて54-59、5点差で玉川大学が食らいついていた。
「1巡目は1勝しかできず、2巡目はとにかく巻き返して、2部残留を目標に全員で戦っていました。とにかく崖っぷち状態だったので、東洋大戦は出だしから全員が一丸となり、苦しい時間帯もファイトできていたと思います」
キャプテンの吉川瑠にとっては、充実感を得られた試合だった。しかし、結果は66-86。最終クォーターに引き離されて17敗目を喫し、最終戦を迎える前に3部降格が確定した。
吉川にとって、はじめての2部リーグは、「フィジカルも高さも全然違い、技術うんぬんの前に体格の差がやっぱり大きかったです。選手層の厚さも違いました」と3部との差を痛感する。しかし、チームが成長する経験もできた。
「今年のスタートで出ていた #2 三井(勇一郎/2年)や #17 遠藤(昌輝/3年)の2人だけではなく、#9 山本(星/3年)や #55 武藤(拓郎/2年)などが来年は中心になってチームを作り上げていくと思います。今は試合に出ていない中にも、能力ある選手はいっぱいいます。これから試合経験を積んでいけば、2部にも負けないチームになると思っています。そこは皆さんに期待していて欲しいです」
60名ほどの大所帯であり、開志国際高校出身の吉川をはじめ、強豪校からやって来た選手も多い。先発を担うポイントガードの三井はポテンシャルが高く、キャプテンも太鼓判を押す。2部での1シーズンを通して、「メチャクチャ成長してくれました。三井なんて、昨年は全く試合に出ていなかったんですけど、2年生になった今年は正ポイントガードになりました。最初の頃はボール運びもままならない試合も多かったですが、リーグ戦ではずっと安定していて、チームに必要な存在になり、今ではチームのリーダーです。来年はさらに磨きがかかり、2部にも負けないガードになれる素質があります」という吉川は今年の悔しさを後輩たちに託し、バトンをつないだ。