B3立川ダイスと対戦する天皇杯2次ラウンドも「勝ちに行こう」
8月26日に開幕した関東大学オータムリーグは約3週間で8試合、日本体育大学と早稲田大学は早くも9試合を消化。天皇杯に出場したチームはさらに試合数が増え、2回戦を突破した大東文化大学と山梨学院大学は9月17日に1日2試合のダブルヘッダーを戦ってきた。
西尾監督は「試合が続くスケジュールによる疲労、長距離移動もあり、そこはやっぱり大学生は慣れていません。そこで集中力が切れたときに、ケガにつながってしまいました」とタフな戦いを強いられる。だからこそ、天皇杯へ出場するメリットも大きく、「多くの試合を経験ができること。今はしんどいんですけど、振り返ったときに試合をこなせばこなすほど、選手自身の経験として絶対に帰ってきます。今後がすごく楽しみですし、今もステップアップを目指し、新たなメンバーもみんなでがんばっているのがプラスです」と続ける。カテゴリーが上がる社会人チームとの試合を通じて、「ファウルのもらい方がすごくうまく、大学生が遊ばれた感じでした。そこでフラストレーションが溜まる試合になりましたが、それも経験であり、それでも勝ち切ったことが自信になりました」と西尾監督はメリットを付け加え、常勝軍団として変貌を遂げる。
プロテリアル ブルドッグスに90-74、JR東日本秋田PECKERSに76-75で競り勝った。いずれも大学時代に名を馳せた選手が多く、JR東日本秋田にはモッチ ラミンと中川祥一郎、山崎渉真の先輩たちに挑んで行った。山内はその試合を通じ、「カテゴリーが上がっても先輩たちのプレーのうまさが見られました。大東文化大学で学んだことが、しっかりと活かされているなと思いました」と述べ、今の努力が間違っていないことを知る機会となった。
天皇杯2次ラウンドは9月22日よりはじまり、森黄州と富山グラウジーズから移籍してきた飴谷由毅のOBを擁するB3の立川ダイスと対戦する。西尾監督は「相手をプロとして意識すると『経験になれば良い』『チャレンジしよう』と思ってしまうかもしれないが、この試合も勝ちに行こう」と選手たちにすでに伝えている。
山内も、「プロは一つひとつのプレーの質がやっぱり違うと思います。でも、受け身にならず、積極的にプレーしていくことが大切です。大学生の方が体力はあると思うので、ディフェンス、リバウンド、ルーズボールからしっかり走ってトランジションを出して、勝ち切りたいです」と臆することなくアップセットへ向かう。
首都圏を電車で移動していると、大東文化大学の広告を目にする機会が多い。この取材を行った9月20日が、ちょうど創立100周年を迎えた記念日。「たまたま100周年同じ年に良い選手が揃い、勝てる可能性があるというのも何かの縁かなと思っています」と西尾監督は話し、華を添えるためにも高みを目指す。
文・写真 泉誠一