留学生擁するチームになかなか勝てない課題点
井上よりも早く、高校時代から積極的にアウトサイドプレーに着手しはじめてきた木林。直近に行われた関東大学オータムリーグでの白鷗大学戦は1本も決められなかったが、しっかりと6本を打てている。「自分のシュートが入らなかったことが、結果として見れば敗因の一つでした」と悔やみ、57-60で接戦を落とした。これまで5試合を行ったリーグ戦において、木林はまだ3ポイントシュートを1本しか決められていない。ワールドカップでの日本代表もそこが入れば、さらなるアップセットを成し遂げていたかもしれない。シュートを打つメンタリティーはすでに備わっている。「3ポイントシュートは自分の将来もそうですし、今のこのチームの役割としてもやっぱり自分が打って、そして決めないと勝てないです」と4年間の集大成として結果を求めていた。
井上ほどフィジカルは強くないが、その分、機動力が木林の魅力である。ペイントアタックし、キックアウトパスを出すこともできる。オールラウンダーとして磨きをかける中、「留学生がいるチームに対してなかなか勝ちきれない部分があり、そこはまだまだ改善点がいっぱいあります」と日本大学と白鷗大学に敗れた試合は反省点も多かった。
「インサイドのパワー自体はどうしても負ける部分があります。だからこそ、自分もそうですが、外のシュートの確率を上げたり、速いテンポのオフェンスをしたり、その部分をもっと磨いていかないと勝てないです。強力なビッグマンがインサイドにいる相手に対し、やっぱり中だけで攻めるのは正直難しいので、アウトサイドシュートをもっと決めていかなければならないです」
白鷗大学に押される苦しい時間帯、3年生の間山柊やルーキーの副島成翔が身体を張っていた。「インサイド陣はやっぱり留学生をいかに抑えるかが大事だと思っています。パワーで負けている部分は正直ありますけど、だからと言って体を張らない理由にはならないです。しっかりと体を張って、少しでも抑えられるようにという気持ちでいます」と木林も意識し、ディフェンスにおいてぶつかり合いは避けて通れない。
1部リーグ戦は14チームと大所帯の争いとなっており、全チームと1回対戦したあと、上位と下位の7チームに分けて2巡目が行われる。筑波大学は4年生にケガ人がおり、横地聖真はまもなく、三谷桂司朗も2巡目の復帰を目指す。9月7日現在、筑波大学は3勝2敗、7位で上位グループのがけっぷちに立つ。全員揃って優勝を目指すために、少ない4年生の一人としてチームを引っ張っている。そんな木林が理想とする戦い方は、日本代表のスタイルと同じだった。
「ディフェンスから速いテンポのオフェンスにつなげることが、筑波の一番良い形です。ディフェンスでは高い強度を40分間ずっと続けて、その流れのままオフェンスにつなげることが大事になります。そこを重視してがんばっていきたいです」
文・写真 泉誠一