#6 塚本智裕とトラオレこそ、田中とともにスプリングトーナメントでも先発として活躍したが、それ以外は経験浅い選手たち。キャプテンとして常に意識していたのは、仲間たちに自信を与えることだった。「試合に出ている僕らでもミスはするので、そんなミスのことは考えずにただ自分のバスケットをやれ」と背中を押し続け、それが優勝へ導くファインプレーでもあった。
「みんな力は持っていると思います。僕もそうですが、あまり自信がないときもあります。でも、前向きな声をかけてあげることで自信を持つと思うし、自分のプレーができれば僕たちはどこにでも勝てる力はあると思っていました。シューターの廣岡(大翔)君と髙橋君は、今大会を通じて自信を持てたと思います。新人チームになってから『このチームではスタートなんだから自信を持ってやれよ』とずっと積極的にプレーしてもらえるような言葉をかけてきたことで、2人とも自分のプレーを発揮してくれました。彼らの活躍に助けられた部分もあり、そのおかげでチームが成長し、自分もキャプテンとして成長できたと思います」
前向きな声をかけ、チームを上向かせたキャプテンだが、新人インカレへ向けては「もう少しまわりからの声がけが欲しいです」と課題を挙げる。「1年生の力も必要になってくると思うので、これからの1ヶ月はプレーを伸ばすことはもちろん、副キャプテンの塚本君をはじめ、まわりの選手たちも積極的に声を出してもらえるようにし、もっと良いチームを作っていけるようにがんばります」と底上げを誓った。
人生初のキャプテンを任されたチームで、「いきなり優勝できるとは思っていませんでした。僕についてきてくれたみんなには、『本当にありがとう』っていう気持ちがすごくありますね。最後に優勝という形で終われたことがすごくうれしいです」という田中は、終始顔をほころばせていた。
【大会結果】
優勝:大東文化大学
準優勝:筑波大学
第3位:日本体育大学
第4位:日本大学
第5位:東海大学
第6位:早稲田大学
第7位:専修大学
第8位:中央大学
【個人賞】
新人王:坂本康成(筑波大学1年)
優秀選手賞:
塚本智裕(大東文化大学2年)
坂本康成(筑波大学1年)
田中流嘉洲(大東文化大学2年)
小澤飛悠(日本体育大学1年)
コネ ボウゴウジィディットハメード(日本体育大学1年)
得点王:コネ ボウゴウジィディットハメード(日本体育大学1年)89得点
3ポイントシュート王:堀田尚秀(早稲田大学2年)16本
アシスト王:大江悠斗(日本体育大学1年)27本
リバウンド王:コネ ボウゴウジィディットハメード(日本体育大学1年)73本
MIP賞:黄雄志(筑波大学2年)
文・写真 泉誠一