22勝4敗で逃げ切った白鷗大学が関東を制覇
14チーム×2回戦総当たりによる関東大学オータムリーグは、22勝4敗の白鷗大学が初優勝を飾った。11月5日に行われた最終節の初戦、専修大学に66-72で敗れたことで1ゲーム差に迫られる。専修大学との直接対決は1勝1敗、得失点差は-3で劣る白鷗大学は勝率で並ばれてしまえば、順位がひっくり返ってしまう危機的状況だった。しかし最終戦は、国士舘大学に93-74できっちりと勝利を挙げて1ゲーム差のまま逃げ切り、優勝をつかんだ。
「最後は良い形でリーグ戦を締めくくろう」と気持ちを切り替え、もう一度チームをひとつにして臨んだラストゲーム。白鷗大学が信条とするディフェンスから国士舘大学を突き放していく。コート上に身を投げ出してボールを追う選手が多く見られることが、白鷗大学の好調さを図るバロメーターとも言える。その姿は、現役時代の網野友雄ヘッドコーチを彷彿とさせる。キャプテンの#7 ギバ賢キダビングが率先して身体を張ってチームを鼓舞し、白鷗大学らしい勝利で強豪ひしめく関東を制覇した。
最優秀選手賞(MVP)は関屋心(4年)、優秀選手賞(ベスト5)には3年生の脇真大とルーキーのジョエル モンガが受賞。オフェンシブな選手が選ばれやすい各賞だが、スタッツに残らないところでチームを支えた縁の下の力持ち、ギバの献身的な活躍もまた賞賛に値する。
約2ヶ月半で26試合を戦うタフスケジュールにおいて序盤はモンガが、途中でスタートだった嘉数啓希(3年)がケガで離脱するなど、白鷗大学もひと筋縄ではいかなかった。メンバー構成を変えるなどのテコ入れをしながら乗り越えねばならず、ギバ自身も1巡目はベンチスタートだったが2巡目から先発に定着。「チームとしてもいろんな試行錯誤しながら、新しいことにチャレンジしていました。それがこのリーグ戦を通じて良い形でできたと思っています。それを強みにして、今後のインカレに向けて成長していきたいと思っています」とギバは言うように、優勝とともに手応えも得られたリーグ戦であった。
大きな存在である支え合う仲間たち
昨年のインカレ(全日本大学バスケットボール選手権大会)を制し、はじめて日本一に立った白鷗大学。昨シーズンの優勝チームと比較し、「基本的なチームの方針やスタンスは変わらず、先輩たちが残してくれたものを引き継いで、さらにプラスアルファしています。メンバーが違うので一人ひとりの特色を引き出しながらも、やはり自分たちのスタイルはディフェンスから速攻なので、堅いプレーを見せていきたいと思っており、基本的には変わらずにできています」と遜色ないチーム作りの結果が、関東大学オータムリーグ制覇という結果につながった。インカレ連覇へ向けたプレッシャーを背負うギバだが、頼もしい同期やチームメイトが一緒に支えてくれていることでキャプテンという大役も全うできている。
12月3日よりはじまるインカレまで、すでに1ヶ月を切った。「リーグ戦で出た課題はコミュニケーションのところ。特に、流れや雰囲気が悪いときに引っ張っていく選手が一人だけではなく、2人や3人、4人と増やしていき、しかもいろんな学年の選手たちがリーダーシップを執れるようにキャプテンとしてその環境を作っていきながらインカレに臨めるようにしたいです」とチームの土台を分厚くすることで、揺るぎない強さを求めていく。