「リバウンドを徹底すること、とにかくディフェンスをがんばること」
昨シーズンのオータムリーグは11連敗に終わった神奈川大学は、今シーズンも未だ勝ち星がないまま3連敗中である。スプリングトーナメントは慶應義塾大学に79-54で勝利したが、相手は3部の格下だった。2年生以下で臨んだルーキーズトーナメントは、初戦で東海大学と対戦し、惜しくも2点及ばずに69-71で敗れている。オータムリーグの3戦目は、お互いにフルメンバーで臨む東海大学と対戦した。
「フィジカルやセットプレーで上に押し上げられてしまい、その積み重ねでパスミスが増えたことが、点差が開いてしまった原因です」とセンターの#21 阿部千寛は敗因を述べる。阿部をはじめ、神奈川大学の2年生にとっては入学以来、同じ1部リーグのチームから勝ち星を挙げられない試合が続いている。
先発を任された194cmの阿部は、「持ち味であるリバウンドが全然できていなくて、チームに貢献できなかったのが悔しいです」と反省点を挙げた。東海大学戦は7本を取り、#25 向奏瑠(3年)の8本に次ぐリバウンド数を記録する。チーム総数では東海大学の37本に対し、45本で上回っていた。しかし、58-87の大差で敗れた原因として、阿部が今シーズンの個人目標に掲げる「リバウンドを徹底すること、とにかくディフェンスをがんばること」を続けられなかったことを悔やんだ。
昨シーズンから続く厳しい状況にも、「なんとかして勝ちにつなげたい。練習してきたことをうまく試合で表現して、勝ちにつなげられるようにがんばっていきます」と阿部は前を向き、もがき苦しみながらも一歩一歩前進している。
チャレンジさせながら選手たちの将来を見据える育成方針
全国にはほど遠かった高校時代の阿部だが、神奈川大学で多くの経験を積んでいる。留学生とのマッチアップにも対抗できるように、この1年間で体重を増やし、「体の当たり負けが少なくなった手応えは感じています。まだまだ課題も多いですが、少しずつ戦えるようになってきました」という成長が見られている。「まわりが上手い選手ばかりというのは分かっていることなので、自分ができることと練習してきたことを全力で出し切ることを意識しています。今の自分の姿を、上手い選手たちに見せつけるというか、表現したいと考えています」と続け、一つひとつできることから経験不足を補っていた。