「シーズンインにかけて僕ら4年生はすごく苦労して、何回も揉めたり、チームを作っていく上で後輩がなかなかついて来なかったり、本当に四苦八苦してきました。その中でも、同期とは綿密にコミュニケーションは取り、いろんな話をしてきたことで、トーナメントが終わった夏あたりから徐々にチームが良くなっていきました。欲を言えば、春から僕らが万全な状態でスタートできれば良かったんですけど、まずはリーグ戦から徐々にチームを作って行き、最後にこうやって早稲田のバスケットを一応は体現できたのかなと思います」
思ったようにはいかない4年間ではあったが、全てを終えた宮本は涙とともに安堵の表情を浮かべた。そして、残る後輩たちへ今後を託す。
「リーグ戦の前半は後輩たちも遠慮しがちでした。大輝や僕がプレーを選択する中で、全然ボールを要求してくれませんでした。でも、リーグ戦の後半になると、『オレにボールを寄こせ』とか『1on1をやらせろ』など、良い意味で遠慮がなくなりました。気持ちで萎縮してしまえば、プレーにも影響してしまいます。コートの上に立ったら先輩後輩など関係ないので、思い切り良くプレーしてくれればそれで良い。このインカレでも思い切り良くプレーさえできれば、相手にも通用していたので、これからもどんどん思い切ってプレーして欲しいです」
197cmの#15 兪龍海は三遠ネオフェニックスへ、#13 星川堅信は宇都宮ブレックスへ、#7 土家大輝に至ってはB2のファイティングイーグルス名古屋で21試合に出場。昨シーズンのBリーグに挑戦し、プロの舞台を経験してきた選手は多い。しかし、いずれも3年生以下の選手であり、先に挙げたように4年生たちはケガに見舞われていた。
宮本はまだプロの舞台を経験していないが、すでにいくつかのチームからオファーは届いているそうだ。196cm、登録はセンター/フォワード。ディフェンスでは屈強な留学生たちを相手に、ゴール下で身体を張ってきた。オフェンスでは3ポイントシュートやドライブもあり、スモールフォワードとしての能力は十分ある。長身な外国籍選手がいるBリーグに行けば、宮本が求めてきたポジションでようやくプレーすることができ、その本領が発揮されるはずだ。
文・写真 泉誠一