第72回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)は女子準決勝を終え、関東1位の白鷗大学と同2位ながら4連覇を目指す東京医療保健大学が決勝進出を決めた。
準決勝第1試合、東京医療保健大学は81-48で筑波大学に勝利した。「自分たちの持ち味であるエネルギッシュなディフェンスからブレイクを出すことができ、それで相手のリズムを崩すことができました」と赤木里帆は勝因を挙げる。チームコンセプトである「常にプレッシャーをかけ、相手が嫌がるディフェンスをすること」を徹底し、筑波大学を48点に抑える守備力を発揮した。
続く準決勝第2試合に臨んだ白鷗大学は、87-60で拓殖大学を下す。26-14と12点リードを奪った第1クォーターから「自分たちのプレーを出すことができ、入り方は良かったです」と今村優花は話し、勢いそのままに点差を広げて行った。
コロナ禍により、今シーズンの関東リーグ戦は1回戦の総当たりだけで終わっている(※例年は2回)。決勝進出チームも今年はリーグ戦での1試合しか公式戦は行われていない。そのときの結果は、90-89とわずか1点差で白鷗大学が勝利した。その敗れた試合を赤木はこう振り返る。
「白鷗のディフェンスに対して、すぐに適応できませんでした。リバウンドもそうですが、出だしから相手のエネルギーに圧倒されることが多かったです」
今年に限っては、追われる立場となった白鷗大学であり、「相手はリーグ戦で負けているので、絶対に出だしからガツガツくると思っています」と今村は警戒する。しかし、インカレのディフェンディングチャンピオンは東京医療保健大学の方であり、白鷗大学は過去3年間ずっと苦汁を飲まされ続けてきた。白鷗大学のスタメンはいずれも4年生であり、今村もそこが強みだと考えている。
「ずっと1年生のときからインカレでは医療に負けてきており、その悔しさを知っているのも4年生です。何をしなければ勝てないかも分かっており、みんなの思いがひとつになってコートに立てています。決勝戦は受け身になることなく、自分たちがチャレンジャーとして相手に向かって行きたいです」
4連覇が懸かった東京医療保健大学にとっても負けられない。昨年、白鷗大学を倒して優勝したときよりも、今年10月24日に負けた方が強く印象に残っているからこそ、赤木は決勝を楽しみにしていた。
「リーグ戦が終わった後から、白鷗戦に勝つためのことだけを考えて課題に取り組んできました。良いイメージを持って練習もできているので、自分たちのやるべきことを毎回徹底し続けて、自分たちのリズムで流れを持っていけば絶対に勝てると思っています。出だしから40分間、自分たちの戦う姿勢、エネルギーを出して戦い抜きたいです」
手の内を知り尽くした両チームによる女子決勝戦は、12月12日(土)16時TIP-OFF。
文・写真 泉誠一