過去71回の歴史において、日本一になった男子大学チームは関東勢しかいない。それもそのはず、今では1部リーグは12チームで構成され、各チーム22試合(総当たり2回戦)と場数の多さは群を抜いていた。しかし、コロナ禍における今年はトーナメント戦での最大4試合に終わり、各地と遜色ない試合数で12月7日(月)より開幕する第72回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)を迎える。
昨年のチャンピオンである筑波大学は、リーグ戦の代替として行われたオータムカップではケガ人が相次ぎ、「練習でもうまくいかなかった」とキャプテンの菅原暉(4年)は話していた。最終戦となった白鷗大学との3位決定戦で、半澤凌太(3年)や浅井修伍(2年)が復帰し、吉田健司監督が言うように「ようやくスタートラインに立てたというのが正直なところ」である。
コロナ禍において、他のカテゴリーやNBAを見ていても、ケガ人が多い。「無理をしない、ケガをしない、張り切りすぎない」という陸川章監督が手綱を締めたことで、東海大学がオータムカップのチャンピオンとなった。例年どおりならば、関東を征したチームがインカレの主役となる。しかし、4試合しか消化できなかった今年は先が読めない。
リーグ戦を行い、11試合の実戦経験を誇るのが関西勢だ。関西2位の天理大学は、ともに1回戦を勝ち進むと第1シードの東海大学と早くも対戦が待っている。関西1位の近畿大学は、日本体育大学(関東5位)や白鷗大学(関東4位)と同じブロック。日本体育大学と初戦で相まみえる京都産業大学(関西4位)は、先日行われた天皇杯1次ラウンドにも出場した。福岡第一高校との接戦を落としたが、その経験もまたチームの糧とし、本番に備えてくるだろう。大阪学院大学(関西3位※)のみ逆ブロックにおり、初戦から関東12位の明星大学と対戦。実戦経験の差で、関西勢が台風の目になると期待している。
「関東のチームが、他の地域のチームに対して絶対に負けてはいけないという意識を持っている」と、筑波大学の吉田監督は力を込める。昨年はリーグ戦5位、2014年から3連覇したときもリーグ戦を優勝したのは最後の2016年だけ。後方からのスタートはいつも通りであり、2連覇を目指す筑波大学も優勝候補の一角だ。
翻って、女子の関東勢はリーグ戦を行い、いつもの半分となるが7試合を戦うことができた。その数は他の地域よりも多い。関東を征した白鷗大学が第1シードに収まり、インカレ4連覇を狙う東京医療保健大学が逆サイドの第2シードとなった。この2チームが軸となり、日本一決定戦は進んで行くと予想される。しかし、一発勝負のトーナメントは何が起きてもおかしくはない。
コロナ禍のせいで、思いっきりバスケができる時間がいつもより少なかった。仲間とともに戦える学生バスケ最後の1週間を、思いっきり楽しんでもらいたい。残念ながら無観客試合での開催となるが、バスケットLIVEで全試合配信される。
※大阪学院大学は出場辞退
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— 全日本大学バスケットボール連盟 (@jubf2014) November 14, 2020
文・写真 泉誠一