「留学生であっても、高校から7年間日本でプレーしてきたわけです。もちろん今のBリーグはお金をかけて、NBA経験もある大型の選手が入ってきていますが、留学生を育成枠のような形で受け入れることは検討してもらいたいと思います。我々大学側としても留学生を受け入れたは良いけども、出口として結局は母国に返さなければならないのはもったいないです。日本のバスケ界に貢献し、上手くなっている選手たちですが、プロへの夢はなかなか難しい状況です。もう少し大学の現状を見ていただいて、留学生にも日本でプロになる道を広げていただきたいというのは正直な気持ちです」(佐々木監督)
「そこが課題だと思っています。現状はB3に留学生枠があり、または実業団チームもありますが、飽和している状況です。チーム事情と全体の流れを見ながら考えなければなりませんが、Bリーグでプレーしたいと留学生たちも言っています。彼らにとってはすごく狭い状況です」(網野監督)
留学生の存在は、「日本人のビッグマンと試合や練習の中から競い合っているので、少なくとも彼らだけではなく、プラスに考えれば日本人の強化になっています。日本の大学バスケにとってもすごく貢献度が高いので、やはり次は彼らに何かチャンスを与えられるようなルールがあれば、彼らにとってもさらなるモチベーションになります」とも西尾監督は話していた。
佐々木監督も「もし、留学生であってもプロへの道が日本人と同様にあるならば、日本のことや文化を理解して成長させることができます。大学までバスケをしても、結局その後は母国に帰る現状では、やりたい放題やるだけでチームとしてもおかしくなってしまい兼ねないです。その選手の将来にとっても良い影響を与えません。だからこそ我々指導者はその教育の部分も含めて指導し、強化しています。ぜひ、留学生の間口も考えて欲しいと思います」と訴える。日本のバスケスタイルを熟知し、日本の心を持った留学生だからこそ、日本のプロリーグで生かすこともできるのではないだろうか。BリーグからNBAや、海外のリーグにつながる逸材を輩出するのも、日本育ちの留学生の方が近いかもしれない。
レベルが低い、高校バスケに比べたら熱量が感じられない、と言われることもあるが、Bリーグができたことで大学バスケもそのレベルが引き上げられていると感じる今シーズンだった。大学はアスリートだけではなく、専門的なプロとして社会に出るための育成の場である。ウインターカップの盛り上がりを継続するように、Bリーグ予備軍たちが切磋琢磨する大学バスケにもぜひ注目して欲しい。
文・写真 泉誠一