チームが欲しいと思う選手が行く世界がプロ
自らもプロ選手として活躍した白鷗大学の網野友雄監督は、「僕が大学生のときのトップリーグ(JBLスーパーリーグ)は8チームしかなかったです。正確な数字は分からないですが、当時の4年生の中から一桁もそこに行けない狭き門でした。そう考えると、今は間口が広いですよね」とその差は大きい。B1とB2は各18チームで構成され、さらに12チームで昇格を狙うB3も含めると48チームが受け皿となる。「Bリーグも4年目になり、だいぶいろんなチームで選手が埋まりはじめてもいます。実は間口が広がっているようで、少しずつ入ることも難しくなっています」(網野監督)というのが現状だ。昇降格がある以上は即戦力が求められ、Bリーグ内だけで選手が廻遊している状況を懸念する大学コーチも少なくはない。
プロチームとの交渉に対し、「学生を欲して試合を見に来て評価してくれるチームと、人脈などを使ってアプローチしてくるチームがあります。こちらとしては、見に来て評価してくれるとすごくありがたいです」と網野監督は考えている。元プロ選手ゆえにその人脈は数多あるが、「基本的にはチームが欲しいと思う選手が行く世界がプロだと思っています。こちらとしては、プロの目に止まるような選手を育成しなければいけないという思いはあります」と大学側が上を目指しているからこそ、プロチーム側もきちんと評価する体制作りが急がれる。
卒業生たちがプロとなって活躍しているのを目の当たりにし、「一番うれしいのは、大学のときよりもプロになって上手くなった姿を見られていることです。さらに良い経験をしながらバスケットを続けてくれている姿を見るだけで勇気をもらえます。また、大東文化大学での通過点は間違っていなかったのかな、とこちらとしても自信になります」と西尾監督の励みになっている。Bリーグができたことで選手たちはもちろんだが、コーチ陣もひとつレベルを上げて指導しなければならず、必然的にバスケに取り組む環境が良い方向へ変化を見せはじめていた。
後編へ続く
文・写真 泉誠一