「楽しい9割、つらい1割」の4年間
スモールフォワードとして順応しはじめている増田は、「4年生となっていろいろと考えることがあり、リーグ戦は悔しい思いもしました。最後のインカレはチームのためにプレーすることを徹底し、全員で勝つことができて良かったです」と仲間たちに声をかける姿も変化した点だ。「リーグ戦で負け続けてきた中で、このままではダメだと4年生同士で話し合いました。牧(隼利)や伊藤(優圭)の二人を中心に、しっかりと自分も混ざってまとめたことで、ひとつのチームになることができたと思います」と成長を見せている。
1年次、偉大なる先輩たちが3連覇を成し遂げた。最上級生となった今年は自らの力で同じところまでチームを引き上げたことで、彼らに追いついたのではないか?
「いやぁ、まだまだですね。本当に(馬場)雄大さん(テキサス・レジェンズ)、ヤスさん(青木保憲/川崎ブレイブサンダース)、(杉浦)佑成さん(サンロッカーズ渋谷)はみんなリーダーシップがあり、バスケットも素晴らしく、チームに対する気持ちもすごかったです。まだまだ見習わねばならないことばかりです」
最初と最後に優勝した筑波大学での4年間は「楽しい9割、つらい1割です」とまとめる。
「1年生のときは先輩方が本当にすごくて自分は何もしていないですが、圧倒的な力で優勝し、日本一になったチームを見せてもらって、すごいなという感じでした。雄大さんがいなくなり、2年目から苦しい時期がずっと続いていましたが、その悔しさをバネにがんばって来られたことこそが、この優勝につながったと思います」
今後も楽しさとつらさの割合がこの4年間と同じように突き進めば、きっとプロの世界でも活躍できるはずだ。増田は昨シーズン同様に、青木先輩が待つ川崎ブレイブサンダースへ進むのか、はたまた新たなチームでプロとしての一歩を踏み出すのか ── 気になるところだ。
文・写真 泉誠一