1年次の東海大学戦をきっかけにマインドセット
43-83、最初のインカレは東海大学を相手に何もできずに終わった。1年生ながら先発を任された京都産業大学の大庭岳輝(洛南高校)は12点を挙げたが、「もうフィジカルでボコボコにされました」と課題を突きつけられる。あれから3年を経て、見違えるほど体つきが変わっていた。
「東海大戦に敗れた翌年からチームとしてトレーニングに力を入れはじめ、昨年のインカレも手応えを感じていました。でも今年は、関東1位のチームである大東文化大学と対戦してみて、もう負けているとは正直思わなかったです。3年かけて関東勢とも対等に戦えるところまでは来ました。しかし、やっぱり最後のフィニッシュ力の差があり、関西の方がレベルは劣っているのかなと思いました」
優勝候補の大東文化大学とのベスト8を懸けた戦いは、残り3分に大庭の3Pシュートで4点差まで詰める。しかし、サンブ・アンドレ(沼津中央高校)の退場も響き、74-79とあと一歩及ばなかった。「ファウルトラブルとフリースロー(6/15本)の部分を自分たちがコントロールできていれば、十分勝てた試合だったと思います。勝利を逃してしまった悔しさはもちろんあります」と手応えを感じていただけに、その悔しさも大きい。だが、「最大17点差がつけられたにも関わらず、最後は5点差までカムバックできたことは、本当にチームとして戦えたことが大きかったです。ベンチも一丸となって最後まで諦めずに戦い、京産のバスケットをすることができた試合でした」と最後のインカレは自身はじめて1回戦を突破し、少なからず満足のいく戦いもできた。
『この1試合くらいはいいやろ』戻ってきた関西リーグ得点王
4年生になった大庭はキャプテンになり、まわりに得点を獲れる頼もしい仲間が増えたことで、コントロールする役割へと変わっていた。116-57と快勝した1回戦の酪農学園大学戦で大庭は10点を挙げたが、二桁得点者は7人を数える。迎えた2回戦の大東文化大学戦は、積極的にファーストシュートを沈め、スイッチを切り替えてきた。
「最後になるかもしれない試合だったので、もう4年生だったりキャプテンという立場ではなく、2年前のような点を獲りに行き、チームのためにもプラスになるプレーだけを考えて臨みました。1年間、チームのことだけを考えてがんばってきましたが、『この1試合くらいはいいやろ』と自分のプレーを出そうと思いました」