もっと攻め気を見せて──
メディア向け資料には、「無限の可能性で目紛しい成長を見せるビッグマン」と川真田は紹介されていた。
「自分は正直言ってそんな実力もないし、関東の選手たちに比べたら身体も弱いし、技術もないので、まずは基礎的なリバウンドを獲る、インサイドのプレーヤーを守る、インサイドでボールをつないでまわりを生かすことを考えてプレーしていました。天理は外回りが強く、佐々木隆成さん(豊浦高校)や藤澤(尚之/東山高校)は高校時代から全国区の選手たちです。自分はその選手たちに対して、サポートしようと思っていました」
得点源となる選手を生かすためにスクリーンをかけ、または高さを生かしてボールをつなぐのがオフェンスでの主な役割だった。逆にディフェンスでは、最後方から声を出してチームを引っ張る。しかし、早稲田大学の小室悠太郎(北陸学院高校)と宮本一樹(桐光学園高校)の長身選手はアウトサイドシュートが得意であり、「試合前から対策をし、分かってはいました。相手のピックに対するディフェンスの練習もしてきたのに、序盤は何度も抜かれてしまい、正直自分の仕事をきっちりとこなせず、そこは改善しなければいけないです」と力の差を感じている。
「もっと攻め気を見せて、その気持ちの部分から変えていかなければならないです。もっと前に出て、自分から引っ張っていく姿勢を見せていけるようにしたいです」と試合直後にも関わらず、心境の変化が見られた。身長が高い選手はそれこそが武器であり、大きな才能である。幸い、3年生以下が主体となるチームであり、来年は真の大黒柱となって戻ってくることに期待したい。
天理大学の善戦に続いて、神奈川大学は名古屋大学に苦戦し、68-63で辛くも勝利した。昨年のチャンピオンである東海大学も、第4クォーター途中まで福岡大学にリードを許していた。しかし最後は99-80で突き放し、関東代表12チームは全て初戦を突破している。12月11日(水)は男子2回戦が行われ、ベスト8が決まる。関東勢の牙城を崩すチャレンジも、残すは数試合。負ければ引退となる4年生たちだが、2回戦を突破すれば順位決定戦まで試合は続き、一緒に戦える期間を伸びすことができる。
文・写真 泉誠一