否が応でも注目を集めるBリーグ経験者と各地区MVP
すでに、平岩はアルバルク東京とプロ契約を結んだ。昨シーズン、特別指定選手としてBリーグを経験し、今年のインカレに出場する4年生は平岩を合わせて6人いる。サンロッカーズ渋谷の盛實、川崎ブレイブサンダースは増田啓介(筑波大学/福岡大大濠高校)、琉球ゴールデンキングスはナナーダニエル弾(青山学院大学/横須賀学院高校)、B2のアースフレンズ東京Zでは鈴木空(名古屋学院大学/桜丘高校)と尾形界龍(神奈川大学/横浜清風高校)がそれぞれプロのコートに立った。学生Bリーガーたちは否が応でも注目される。
関東を制した大東文化大学のモッチ・ラミン(桜丘高校)をはじめ、各地区リーグ戦でMVPを受賞した4年生を挙げていこう。16年ぶりに出場を果たす北海道1位の酪農学園大学・工藤優輝(室蘭海星学院高校)。初戦の相手は関西1位の京都産業大学であり、MVPの大庭岳輝(洛南高校)を擁する。東海1位の中京大学・内山翔太(浜松商業高校)は2年生から、中国1位の徳山大学・中沢一之(出雲北陵高校)は毎年インカレの舞台に立ち、その集大成を迎える。九州1位の九州共立大学・久保田義章(折尾愛真高校)は平均20.6点を挙げ、得点王と3Pシュート王としての力を発揮する。
インカレで見たかった4年生たち
4年生にとって、インカレが大学バスケのラストゲームとなる。しかし、ここに残れなかった選手たちの方が多く、インカレで見たかった4年生たちも少なからずいる。関東勢では入替戦で敗れた東洋大学のラシード・ファラーズ(越谷西高校)や、2部得点王(平均21.5点)の細川一輝(上武大学/一関工業高校)が挙げられ、その進路も気になるところだ。東北3位で惜しくも出場できなかった富士大学の三浦大和(盛岡南高校)は、平均26.4点で得点王&3Pシュート王。OBの田口成浩(千葉ジェッツ)同様の活躍に興味が沸いた。同じく中国2位で涙を呑んだ広島文化学園大学の高垣健太も平均23.1点で得点王と3Pシュート王に輝いている。それぞれの地域にプロクラブがあり、今後も彼らのプレーが見られることを願いたい。
2015年のウインターカップは八村がブレイクし、決勝戦は開場時間前から東京体育館に長蛇の列ができ、超満員に膨れあがった。あの興奮を知る選手たちが競い合うインカレは、今シーズン最初で最後の日本一決定戦である。
文・写真 泉誠一