世界との真剣勝負を経験してきた黄金世代
現在の大学4年生はU17ワールドカップ、大学3年生はU19ワールドカップに出場し、世界との真剣勝負を経験してきた黄金世代だ。早生まれの八村塁(ワシントン・ウィザーズ)は両方に出場し、U17ワールドカップでは得点王、U19ワールドカップでは世界のトップ10に入る原動力になった。納見も明成高校2年時、U17ワールドカップに出場している。
「もう一度、あの舞台に立ちたい気持ちはあります。個人としては、何試合かは良いプレーができたこともありましたが、そこまで試合で結果を残すことはできなかったです」と悔しさの方が強い。得点王になった八村は平均22.6点、牧隼利(筑波大学)が平均10.3点とWエースがスタッツを残す。納見はベンチスタートであり、平均14.5分とプレータイムが少ないながらも、彼らに続く平均6点を挙げる活躍を見せた。
延長戦までもつれ込み、銀メダリストのオーストラリアに冷や汗をかかせた開幕戦で納見は20点を記録している。第4クォーター残り56秒、74-76とワンゴール差に迫る3Pシュートを決めた。残り4秒、八村が3Pシュートを決め、77-77と同点に追いついたが、延長戦は力尽き、84-97で敗れた。決勝トーナメント1回戦で対戦したアメリカに、38-122と完膚なきまでにやられたのも苦い思い出である。
「でも、あのときよりも成長している自信はあるので、今どれくらい通用するかを試してみたい気持ちはあります」
日本代表に入ることの難しさは分かっているが、そこを目指さなければ近づくこともできない。先に日の丸を背負って活躍する八村とは、何度も日本一となった明成高校のチームメイトであり、世界を相手に苦楽をともにしてきた。ワールドカップを観戦して刺激をもらった納見は、「一緒にプレーしたい気持ちはあります」とコート上での再会も目標のひとつである。
今後はBリーグでのプレーも希望しており、「一つひとつの練習メニューに対して、短時間でも強度を上げて取り組むようにしています。チームに貢献することができれば、個人としての結果にもつながってくると思っています」と今いる環境で切磋琢磨している。
将来的には「シュートがあり、ドライブにも行けて、ディフェンスが出てくればパスも出せる。攻めながらゲームを作れるガードの方が魅力あると思います」と、世界的に主流となっている得点力あるポイントガードを目指す。
残り2週となった関東大学バスケ1部リーグ。今週末(11月2日・3日)の青山学院大学は、青山キャンパスでホームゲームが待っている。最終週(11月9日・10日)は横浜国際プールで開催され、いずれもBリーグクラブのホームでの試合が続く。サンロッカーズ渋谷や横浜ビー・コルセアーズのファンは、特別指定選手やルーキーとして迎えたい若き逸材を、皆さんのホームでぜひ見極めていただきたい。
ワールドカップに大学生たちは何を見た!?
・あの頃のようなガムシャラさを ── (筑波大学 #88 牧隼利)
・4年後は奥田中トリオでワールドカップ出場!? (大東文化大学 #2 飴谷由毅)
・2部から日本代表候補に選出されたシンデレラボーラー (東洋大学 #24 ラシード ファラーズ)
・日本代表やBリーグを通して感じたプロ意識 (東海大学 #25 平岩玄)
文・写真 泉誠一