負けから学ぶことを体現する『7連敗を経験した世代』
7勝1敗で3チームが並ぶ関東大学バスケ1部リーグ。得失点差により1位大東文化大学、2位筑波大学、3位東海大学の順となっており、今週末9月29日(日)にはつくばカピオで筑波大学vs東海大学(15:40開始)の直接対決が待っている。
2年前のリーグ戦は7勝11敗で10チーム中9位の東海大学は入替戦にまわった。4年生の平岩玄は、そのときに「7連敗を経験した世代」である。翌シーズンにはリーグ戦を制し、勢いそのままに日本一に返り咲いた。「負けからも多くのことを学ぶことができた」ことを体現する。今シーズンは大東文化大学に敗れたが、その後は5連勝中。勝つことでチームがひとつになることも平岩は知っている。東海大学を通じて様々な経験をし、「チームはすごく良い方向に向かっています。夏はBリーグとたくさんゲームをしてきました」という準備が実りはじめた。
今夏は名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、シーホース三河、サンロッカーズ渋谷と練習試合を行い、アルバルク東京とも一緒に練習を行いながら強化を図る。琉球ゴールデンキングスやA東京の特別指定選手として、すでにBリーグを体感してきた平岩だが、「本当のインテンシティやソリッドなディフェンスを吸収することができ、それをずっと徹底し続けています」と意識をさらに高く持って、このリーグ戦を迎えていた。
日本代表がワールドカップでの戦いを通じて、フィジカルコンタクトの課題を露呈した。「一番顕著にその差が出てしまう」ポジションを2mの平岩は担っている。Bリーグとの練習試合では屈強な外国籍選手を相手に身体を張り、大学リーグでも体格で勝る留学生とのマッチアップは避けられない。
プロや各国代表と比較して強度の違いこそあれ、「ぶつかっていかないとやられてしまいます。(八村)阿蓮(2年)もそうですし、好戦的な選手が多く、練習からバチバチしていますね」と東海大学では日常的にフィジカルコンタクトが欠かせない。留学生と対峙し、まだまだ押し込まれてしまうこともあるが、平岩にはある考えがあった。
「コンタクトは相手を打ち負かすために使う部分もありますが、体を当て続けていることで相手をコントロールすることもできます。相手が嫌がってくれれば成功だと思っていて、常に相手の間合いに入ってコンタクトし続けるようにしなければいけないです」
ぶつかることを厭わないプレーは平岩にとっても、日本の課題を克服するためにも避けては通れない。