リバウンドからプッシュすることの必要性をあらためて感じた
ひとつ上のステージはプロの世界であり、目指すは地元の先輩たちと一緒に日の丸を背負うことだ。馬場雄大(アルバルク東京)、八村塁(ワシントン・ウィザーズ)の活躍により、日本バスケ界で脚光を浴びているのが富山県である。富山工業高校出身の飴谷もまた、奥田中学バスケ部で彼らと一緒にプレーしていた。
そんな先輩たちが苦しみながら戦ったワールドカップを見て、「世界は大きい選手があれだけ強いディフェンスをしてくるので、コントロール力もそうですが、リバウンドからプッシュすることの必要性をあらためて感じました」。筑波大学戦ではリバウンドを奪い、そのまま速攻に持ち込むプレーも多く見られた。「渡邊(雄太)選手や雄大さんが強気でプレーすれば、通じるものもあったと思います。自分も2年生のときの強引なプレーと今の状況判断の2つをうまく掛け合わせることで……何て言うんスかね。おこがましいですが、ちょっと見えて来るんじゃないかなぁ」と見通しは明るい。先輩たちの活躍とともに、ポイントガードを目指す飴谷は田中大貴(アルバルク東京)の挑戦を目に焼き付け、刺激も受けていた。
ポジションアップが成功すればパワーフォワードに八村、スモールフォワードが馬場、そして飴谷がポイントガードとなり、奥田中出身トリオで4年後のワールドカップに期待したい。もちろん笹倉怜寿(東海大学4年)もそこに割って入って来なければならない。
「雄大さんや塁さん、怜寿さんがいて、富山市の奥田中が注目されはじめています。今、大学トップレベルでプレーできているからこそ、ここでしっかり成長していけば、自分の未来は明るいかなと思います。それも坂本穣治コーチのおかげです」
4年後のワールドカップは奥田中トリオか、はたまたカルテットか──「やってやりますよ!」と飴谷は力を込めた。今年のワールドカップに向かう前、富山コンビの馬場と八村は地元メディアに引っ張りだこであった。飴谷や笹倉が加われば、チューリップテレビがさらに賑わうことになるだろう。
文・写真 泉誠一