パスが上手いと思えるNBA選手は2~3人程度
中高生時代に習得すべき練習方法についての質問があった。第一に、シューティングドリルをケーシーコーチは挙げる。同時にパスの重要性を説いていく。
「シューティングドリルをたくさんしてください。シュート本数を達成するだけではなく、時間に追われる中でのドリルも有効です。シュートを決めるためには、良いパスを出すことが大事であり、若い世代からしっかりアプローチする必要があります。NBAを見ても、パスがうまいと思える選手は2~3人しかいません」
このクリニックでも最初の練習はパスだった。その後の5メンウィーブや4分間シュートドリルでは、パスミスが生じたときにはすぐさま練習を止め、やり直しを命じる。今回のクリニックでは伝えきれなかったが、「ピック&ロールでもパスは重要です」と補足する。
「自らリングにアタックすることが第一ですが、ポケットパスやキックアウトパスを出すこと、ピック&ロールではその3つを自在にできることが選手には重要です。パスは今の時代では欠かせない技術です。とくにスイッチされたときに、相手のディフェンスを上回るプレーをするためには必ずパスが必要になります。良いタイミングで、良い場所にパスを出すスキルを身につけてください」
シューティング、パスに続けて、ディフェンスの足の動きや嗅覚を研ぎ澄ませるためにも1on1をしながらその感覚を高める練習が必要と続けた。パス同様に、ディフェンスも基本に忠実でなければならない。ディフェンスに戻るときは「両手を広げて、強い気持ちを持って相手に大きく見せる」スタンスが基本となる。「相手がボールを運んできたときに、かならず5人全員のユニフォームが正面を向いており、10本の手が広がっていれば隙はなくなります。(ボストン)セルティックスはそれを徹底しています」。
NBAでの練習時間は「オフシーズンは2時間、レギュラーシーズンは長くても1時間15分」と制限し、オーバーワークに気をつけながらマネジメントするケーシーコーチ。オフシーズンは2時間と言ったが、それはあくまでチーム練習であり、「夏はノーリミット(制限なし)」と付け加えた。
「夏の間に選手は成長するものです。パスカル・シアカム(ラプターズ)は2年間をかけてしっかりトレーニングを積んできたことで、昨シーズンは一気に開花した選手です。毎夏、努力することで高いステージに上がることができ、近道はありません」
日本は夏休み真っ只中である。熱中症に注意しながら、「ノーリミット」でバスケを楽しみ、上手くなる夏を送って欲しい。
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文・写真 泉 誠一
白鷗大学 https://hakuoh.jp
【経営学部・法学部・教育学部・大学院経営学研究科・大学院法学研究科】
所在:栃木県小山市
バスケットボール部は男子・女子ともに関東1部所属の強豪校
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