初ヘッドコーチになった日本に凱旋!30年来に及ぶトシとの絆
8月9日(金)、デトロイト・ピストンズのドゥエイン・ケーシーヘッドコーチが、白鷗大学にてクリニックを開催。今春の関東女子大学トーナメント(第53回関東大学女子バスケットボール選手権大会)で2位の強豪、白鷗大学女子バスケットボール部にNBAチームがオフシーズンに行っている練習を伝授。その模様は公開され、BリーグやWリーグをはじめ、様々なカテゴリーのコーチなど100人近くが参加した。練習後には質疑応答の時間を設け、最後には自らのEメールを公開するほど盛りだくさんの内容だった。日本バスケの発展のため、練習での丁寧な指導はもちろん、1時間以上に及んだ参加者からの質問にもひとつひとつ熱心に答えていたのが印象的である。
なぜ、NBA 2017-18シーズン(※当時はトロント・ラプターズ)のコーチ・オブ・ザ・イヤーを受賞した名将が白鷗大学にやって来たのかを不思議に思っている方もいるかもしれない。練習を終えた冒頭、参加者に向かってケーシーコーチはその経緯を自ら説明してくれた。
「トシとの絆が関係しています。20年以上NBAでコーチをしていますが、私のベースは日本にあります。一番大切にしているのは忠誠心と友情であり、そこに尽きます。親友であるトシのところへ行き、助ける姿勢はこれまでもこれからも変わりません」
トシとは、白鷗大学女子バスケットボールの佐藤智信ヘッドコーチのことだ。ケーシーコーチがはじめてヘッドコーチに就任したのは日本だった。1989年、女子チームの積水化学を率い、そのときのアシスタントコーチが佐藤ヘッドコーチである。今回のように公開クリニックとなったのは2013年に続いて2度目ではあるが、「これまでもこれからも」という言葉どおり、それ以前も来日する度に師事を受けてきた。30年来の親友である佐藤ヘッドコーチは、「我々だけのものにするのはもったいない」と間口を開いてくれたことで、ケーシーコーチの指導方法を共有する場となった。