大学バスケの試合会場では、スカウトに来ているBリーグクラブの関係者に遭遇する機会がある。某GMと立ち話をすれば、「すでに4年生は目星がついており、契約に向かっている段階。今、見ているのは3年生や2年生。今後の戦力を探している」そうだ。関東大学リーグ戦のMVPや優秀選手賞を見ても分かるとおり、3年生に有望な選手は多い。法政大学3年#6中村太地選手は、すでに横浜ビー・コルセアーズの一員として活躍しはじめている。
Bリーグに照準を合わせる選手とさらなる可能性を探る選手
関東大学リーグ戦のMVPを受賞した#25平岩玄選手(東海大学3年)も、昨シーズンは特別指定選手として琉球ゴールデンキングスでプレーした。インカレ後、今シーズンもBリーグでのプレーを希望しており、いくつか話も来ているそうだ。常時オンザコート2になったことで、日本人ビッグマンの活躍がカギを握る。大学バスケ界にも多くの留学生がおり、毎試合マッチアップしているが「昨シーズン、琉球に行ったときはもっと強烈な外国籍選手がいました」とプロとの差に驚かされた。「その中で自分が何を武器に戦って行けるか。チームの勝ち負けはもちろんありますが、自分自身の課題として残る1年間でしっかり磨いていかなければいけないです」。強烈なライバルをイメージしながら、200cmの平岩選手は常に身体を張っている。
優秀選手賞を受賞した#34盛實海翔選手(専修大学3年)は「絶対にプロに行くことを決めているわけではなく、まだいろんな道があるとも思っています」と可能性を探っている。同じような答えをした有望な3年生は他にもいた。世界に目を向ければ、Bリーグよりもレベルの高い環境はいくらでもあり、どんどん悩めば良い。186cm、得点力もあるポイントガードとして魅力的な盛實選手は「高いレベルでやりたい気持ちはあります」と言い、そのために足りない部分が多いことも把握していた。関東3位の専修大学だが、混戦状態の大学バスケ界であり、日本一になれるチャンスも十分ある。「トーナメントは負けたら終わり。もっと緊張感や危機感を持ってワンプレーワンプレーやらないといけないです」というインカレの舞台で、さらにその名を轟かせて欲しい。