その流れが悪くなったとき、「高田に頼り切ってしまい、すごく負担をかけすぎてしまっています」と猛省していた。最終戦、東京医療保健大学との終盤は、その高田選手との息の合ったコンビプレーで打開する場面も見られており、4年間で培った武器は強みである。「後輩にはたくさん良い選手がいるので、もっともっとチームで勝つバスケができるようにしていきたいです」とチーム力向上を課題に挙げた。コートにいる選手だけではなく、ベンチメンバーも一体となって戦っており、リーグ戦を通してその声は大きくなっていった。
「ベンチでは副キャプテン(大西胡桃選手)がみんなを巻き込みながら盛り上げてくれたり、ベンチから見たアドバイスを的確にしてくれるので、チーム全員でバランス良く戦えていることは実感しています。本当に感謝しています」
インカレは12月10日開幕!横一線で繰り広げられる一発勝負のトーナメント
リーグ戦で早稲田大学は、東京医療保健大学と白鷗大学に敗れている。その2校に対し、4位の拓殖大学は勝ち星を挙げている。一発勝負のトーナメントは何が起こるか、確かにわからない。関東勢が上位を占める男子とは違い、女子は東海や関西地区にも強豪校がおり、12月10日に東京開催(大田区総合体育館、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場)されるインカレが今から待ち遠しい。リーグ戦の結果はすでに過去のものになった。まだ1ヶ月以上あり、今後の強化次第ではどのチームにも日本一になれるチャンスがある。
昨年に続き、優秀選手賞に輝いた田中選手は、「あれは申し訳ないというか、みんなが気を遣ってくれた感じがありました」となぜか恐縮していた。各賞の選考に気遣いはないはずである。コート内でチームメイトに声をかける姿は立派な最上級生であり、優秀選手賞にふさわしい選手になった(…と思う)。だが、Wリーグ入りも視野に入れている彼女ゆえに、まだまだ成長しなければならない。早稲田大学がインカレを制したのは4年前。彼女たちは経験していない日本一を目指すだけである。
最終順位
優 勝 早稲田大学(12勝2敗)2年ぶり4回目
第2位 白鷗大学(10勝4敗)
第3位 東京医療保健大学(9勝5敗)
第4位 拓殖大学(7勝7敗)
第5位 専修大学(7勝7敗)
第6位 筑波大学(6勝8敗)
第7位 松蔭大学(3勝11敗)
第8位 日本体育大学(2勝12敗)
アワード
最優秀選手賞 #21高田静(早稲田大学4年)
敢闘賞 #9上田祐季(白鷗大学4年)
優秀選手賞 #14田中真美子(早稲田大学4年)#13平末明日香(東京医療保健大学3年)#32永田萌絵(東京医療保健大学3年)
得点王 #18齋藤麻未(日本体育大学4年)合計296点/平均21.1点
3ポイント王 #9上田祐季(白鷗大学4年)合計38本/平均2.7本
リバウンド王 #36小笠原美奈(拓殖大学3年)合計165本/平均11.8本
アシスト王 #21高田静(早稲田大学4年)合計63本/平均4.5本
MIP賞 #18齋藤麻未(日本体育大学4年)
監督賞 倉石平(早稲田大学)
文・写真 泉 誠一