関東大学女子1部リーグ戦は早稲田大学が2年ぶりに王座奪還し、幕を閉じた。最終戦は、昨年のチャンピオン・東京医療保健大学との息詰まる接戦となった。
第1クォーターは23-11、早稲田大学がスタートダッシュに成功する。気合いを入れ直した東京医療保健大学はディフェンスからリズムを取り戻す。タフショットを強いられた早稲田大学の得点が伸びず、38-33と5点差まで詰めて前半を終えた。第3クォーター、東京医療保健大学#13平末明日香選手の連続得点ですぐさま38-38に追いつく。続けて#1若原愛美選手が3Pシュートを沈め、東京医療保健大学がはじめてリードを奪う。そこから何度もリードが入れ替わっていった。
フリースローを得た東京医療保健大学だったが4本落としたことが響き、51-50と早稲田大学が辛うじてリードして最終クォーターへ。最初に流れをつかんだのは、追いかける東京医療保健大学の方だった。#32永田萌絵選手が持ち前のドライブで切り拓き、ふたたび#1若原選手が3Pシュートを決め、62-61で上回る。しかし、その勢いもすぐさま早稲田大学に押さえ込まれてしまう。残り3分、#21高田静選手がリバウンドを押し込み、69-68と早稲田大学が再度逆転する。続く1分間で#33中田珠未選手と#14田中真美子選手のインサイド陣が奮起し、73-68と点差を引き離す。東京医療保健大学は何度もチャンスを作ったが、あと一本が決まらない。75-72で早稲田大学が逃げ切り、最終戦を勝利で飾った。
『歯車が狂ってしまったときに立て直せないのが今の課題』田中真美子選手
素晴らしい試合だったが、この結果に関係なく、ライバルたちが星をつぶし合ったことで先週の時点で早稲田大学の優勝は決まっていた。例年、最終週で決まるケースが多く、あまりに早く決まってしまったことに早稲田大学のメンバーも驚いていた。キャプテンの高田選手は「日本一を目標に掲げているので、『インカレにつながるように戦おう』と声を掛け合い」、気を引き締めて臨んだ最終週。東京医療保健大学戦は1勝1敗だったが、ラストゲームは見応えある熱戦を繰り広げてくれた。
今春、「見ていてください!インカレのときにはきっと『成長したね』と言ってもらえるようにしてみせます!!」と、最上級生になったばかりの田中選手と約束をかわす。4強対戦までは唯一、負けなしの8連勝を挙げて首位を突き進み、2年ぶりとなる優勝に導いた姿は成長とともに、頼もしささえ感じる。最終戦は24点・9リバウンドと大活躍だった。「勝ち切れた試合は自信につなげていきたいです」とポジティブなコメントを残したが、それ以外のほとんどは反省点ばかりである。
白鷗大学と東京医療保健大学の初戦に敗れたが、それでもしっかり2戦目でリベンジしたのも成長した点だと感じる。しかし、田中選手の見解は相反するものだった。
「負けた試合はいずれも大差であり、歯車が狂ってしまったときに立て直せないのが今の課題です。インカレは一発勝負であり、もし歯車を元通りにできなければ、コロッと負けてしまう不安があります」