Photo by Munehiko YOSHIDA
岐阜女子、桜花学園を下して初優勝
大会6日目、女子決勝は桜花学園と岐阜女子の顔合わせ。今年のインターハイ、国体でも決勝で対戦し、いずれも桜花学園が勝利していた。3度目の正直……敗戦から多くを学んだ岐阜女子は、終始リードされる展開でも慌てず、自分たちのバスケットを信じて挽回のチャンスを待った。第4P開始時点で32-41と9点のビハインドだったが、約4分の間に2本の3Pを含む10得点で42-45と猛追。残り1分42秒に#6田中陽子の3Pで49-47と逆転に成功すると、その後も着々と加点した岐阜女子が54-49と逆転で全国大会初制覇を果たした。
■女子3位決定戦、決勝
【3位決定戦】
昭和学院(千葉) 95-57 聖カタリナ女子(愛媛)
【決勝】
岐阜女子(岐阜・高校総体②) 54-49 桜花学園(愛知・高校総体①)
迫力満点のインサイド対決。桜花学園#10馬瓜ステファニーはファウルトラブルもあり、悔いが残る結果となった。
40分間コートに立ち続けた岐阜女子#4村瀬久美。チームを鼓舞し続け、念願のタイトル奪取に貢献した。
我慢の時間が続いた岐阜女子だが、決してあきらめず、王者・桜花学園に食らいついた。最後は見事な粘り勝ち。
終了のホイッスルが鳴り、笑顔の選手たち。コート上だけでなく、ベンチのメンバーたちや観客席の関係者たちと喜びを共有した瞬間だ。
日本一を成し遂げた岐阜女子は、同校のバスケット部の歴史、ウインターカップの歴史に新たな1ページを加えた。女子バスケのますます隆盛が期待される。
■女子ベスト5
#5 伊藤 里奈(岐阜女子 3年)
#7 ディヤイ ファトー(岐阜女子 2年)
#4 遠藤 桐(桜花学園 3年)
#8 赤穂 ひまわり(昭和学院 2年)
#4 軸丸 ひかる(聖カタリナ女子 3年)
明成3連覇! 八村34得点、納見22得点。
男子決勝は3連覇を狙う明成と、第24回大会(1993年)以来の決勝進出を果たした土浦日本大学が激突した。第1Pは#10松脇圭志の3P(8本の3Pを含む30得点)などで土浦日本大学が20-17とリードを奪う。第2、第3Pは一進一退の攻防が続き、3点差のまま最終ピリオドへ。
第4Pに入ると明成#6納見悠仁が3Pとミドルを決めて逆転に成功。追いすがる土浦日本大学はシュートミスが続き、リズムに乗り切れないまま試合は進んだ。残り5分を切って66-57と明成がリードを広げる。激しいディフェンスでボールを奪いに行く土浦日本大学は#8杉本天昇の3Pで追い上げムードになるも、明成は#8八村 塁が要所でオフェンスリバウンドを取り、しっかりボールをキープし78-73で逃げ切った。
■男子準決勝、3位決定戦、決勝
【準決勝】
明成(宮城・高校総体①) 110-70 中部大学第一(愛知)
土浦日本大学(茨城) 91-78 県立能代工業(秋田)
【3位決定戦】
県立能代工業(秋田) 88-72 中部大学第一(愛知)
【決勝】
明成(宮城・高校総体①) 78-73 土浦日本大学(茨城)
ホールまで埋め尽くす観客、取り囲むカメラの放列。国体の再現を狙う土浦日大大学とウインターカップ3連覇に挑む明成。日本中が注目する高校最強決定戦の幕が上がった(国体優勝の「茨城」は土浦日本大学が主力だった)。
土浦日本大学インサイドを支える#6軍司泰人とともに存在感を示した#5平岩 玄。国体で自信をつけ、昨年のウインターカップからさらに成長した姿を披露。
30得点でチームハイ。ベスト5にも選出された土浦日本大学#10松脇圭志。エースの活躍で王者・明成を追いつめ、土浦日本大学として第7回大会(1977年)以来の優勝まであと一歩と迫ったが……。
明成#8八村 塁のモンスタースラム! 明成高校でのキャリアを通じ、ゲームの流れの中でプレーの波をコントロールできるようになったという。“スイッチ”が入れば、アンストッパブル。
「接戦になることはわかっていた。辛抱して辛抱して、自分たちの流れが来たときに攻めまくる」とゲーム前のミーティングで話したという明成・佐藤久夫コーチ。指示通り、第4P以降一気に畳み掛けた。シューター陣も後半は当たり出し、#10三上侑希は後半だけで3本(計5本)の3Pを決めた。
#6納見悠仁から#9足立 翔へのアシスト。土浦日本大学のディフェンスの戻りは早かったが、明成は2人目3人目がしっかり走っていた。粘り強く戦うこと、自分たちの時間帯に積極的に攻めること、「追い込んで練習してきたことがこの大舞台で出せた」と足立。ポイントカードとしてチームを牽引した納見はベスト5に選出された。
流れを自分たちに引き寄せるため、積極的に攻めなければならない時間帯。キャプテン#6納見がリングにアタックし、“アンド・ワン”をゲット。納見に駆け寄った#8八村 塁は歓喜の咆哮。
連覇のプレッシャーより、国体で負けた悔しさを晴らしたいという気持ちの方が大きかったと臨んだ明成。見事リベンジを果たし、ウインターカップ3連覇の偉業を達成した。
■男子大会ベスト5
#6 納見 悠仁選手(明成) ※2年連続2回目
#8 八村 塁選手(明成) ※3年連続3回目
#5 平岩 玄選手(土浦日本大学)
#10 松脇 圭志選手(土浦日本大学)
#4 盛實 海翔選手(県立能代工業)
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