4年ぶり2度目の決勝の舞台に進んだ埼玉ライオンズはまだまだ若いチームである。4年前も19-64と大敗を喫した。30歳の#6大館秀雄(4.0)は、「宮城MAXは強かったです。強かったですが、我々も少しは成長したという実感はあります」と4年前と比較をする。「4年前の悔しさを忘れたわけではないですが、今はあの時以上に悔しいです。すぐにでもトレーニングをして強くなって、またこの舞台で宮城MAXと対戦したいです」と這い上がってくることを誓った。
健常者の登録が認められて初の天皇杯だったが、その健常者がいない宮城MAXが頂点に立ち、意地を見せた。健常者として、はじめての大舞台を経験した埼玉ライオンズ#12大山伸明(4.5)は「本当に楽しかったです。宮城MAXと決勝で戦えたことで、自分自身の課題も見つかりました。点差的にはダブルスコアで負けましたが、内容的にはそんなに悪くはなかったです」と、この経験を自信に変え、成長につなげたい。
健常者が入って来ることに賛否はある。しかし、宮城MAX#9土子大輔(4.0)はポジティブに捉えていた。
「一緒にプレーしてくれる健常者に感謝しなければいけないです。健常者が入ったら有利になるとかいう話ではなく、2020年パラリンピックへ向かって行くためにも、ハイポインターのレベルアップにつながれば良いです」
来年はここ武蔵野の森総合スポーツプラザに東京パラリンピック・車いすバスケットボール競技がやってくる。日本一を争う天皇杯が激しくなれば、日本代表が強くなることを意味する。目標に掲げるパラリンピックで金メダル獲得にも近づくはずだ。
■大会最終結果
優 勝:宮城MAX(11回連続11回目)
準優勝:埼玉ライオンズ
第3位:ワールドBBC
第4位:パラ神奈川SC
第5位:NO EXCUSE
第6位:伊丹スーパーフェニックス
第7位:千葉ホークス
第7位:福岡breez
■個人賞
MVP:藤本怜央(4.5)宮城MAX
オールスター5
斉藤貴大(1.5)伊丹スーパーフェニックス
赤石竜我(2.5)埼玉ライオンズ
竹内厚志(3.0)ワールドBBC
藤井郁美(4.0)宮城MAX
スリーポイント賞(7本成功)
竹内厚志(3.0)ワールドBBC
古澤拓也(3.0)パラ神奈川スポーツクラブ
サントリーやってみなはれスピリッツ賞:赤石竜我(2.5)埼玉ライオンズ
三菱電機Changes for the Better賞:藤井新悟(1.5)宮城MAX
文・写真 バスケットボールスピリッツ編集部