当然のことながら、ぬま自身も勉族は長く続けていきたいと思っているが、自身のプレーにもまた少し力を入れているとはいえ、いつかプレーできなくなる日は訪れる。「継続は力なりという言葉があるように、続けるから見えるものがある。僕らより先にやっているTEAM-Sもいるし、まだまだだなというところのほうが多いです。プレーできなくなったときの勉族がどうなるか、そこが大事になってくる」というぬまが思い描いているのは、若い世代なりの勉族の在り方であり、最も大事にしていきたいのはひたむきさ。「笑バスケ」を標榜し、エンターテイナーとして存在感を発揮してきた一方で、LEGENDでシーズン王者候補としてグランドチャンピオンシップに出場したこともあるぬまは、バスケットに対する熱を持って真摯に向き合うことを最低条件としている。
「チームに入ってきた人がまず自分がどうしたいのかということを考えてもらったほうが、勉族は良い方向に進んでいくと思います。こっちから『勉族はこういうチームだぞ』って押しつけるんじゃなくて、それは後々感じてくれればいい。みっちゃん(M21)は『ぬまさんのパフォーマンスを超えろ』って若いヤツらに言ってくれたけど、今はそんなことは考えてないんですよ。いつも言ってるのはリバウンド、ルーズボール、ディフェンス。この3つをやらないヤツは出さない、それだけです。やらないヤツは怒っちゃうかもしれない」
バスケットを突き詰めるために、ぬまは週2回の練習を3回に増やした。「練習からハードにやってるからこそ、パフォーマンスをやる余裕も生まれてくる」というぬまは、「昔は勝ってましたからね。たぶん今でもダークロとかいたら勝てちゃうんじゃないかな。でも今はそうじゃない。これだけ練習しても今日3位だし、彼らに足りないところはまだたくさんある」と勝負へのこだわりをのぞかせる。「ふざけているようで狙っている」というキャッチコピーは、今も生き続けているのだ。
もちろん、今の若いメンバーには期待を寄せる。その1人、アララライは知人に誘われて行った15周年イベントで初めてぬまと接点を持ち、勉族の一員となった。今は若手のまとめ役として、その自覚を持って取り組んでいるところだ。
「トップがぬまさんなのは変わらないし、てつろーさんもいるんですが、その下が開いている。若手で試合に出てるメンバーを、私なりのまとめ方でブレずにまとめていきたいです。得点もどんどん取ってこいと言われてるので、そこもブレずにやっていきたいと思います」
強さを追求すると同時に、勉族に入った以上は勉族らしさも出していきたいとアララライは思っている。「5年経っても変わらず愛されてるチーム。そういうチームに入れたことがすごく嬉しいですし、いろんな方が見てくれる環境は素晴らしいなと思います」というアララライは、個のキャラが立ち、勝利と笑いの両輪でシーンの先頭を走っていた往年の勉族に思いを馳せる。