ゴールデンウィークの間、餃子フェスが開催された駒沢オリンピック公園の一角にはバスケットコートが現れ、日替わりでイベントが催された。5月4日に開催されたのは千葉・柏レペゼンのストリートチーム、勉族の20周年記念イベント。勉族を含む6チームが2グループに分かれ、それぞれの上位2チームが決勝トーナメントに進出。予選グループ敗退の2チームによる順位決定戦は、5位決定戦ではなくビリ決定戦。その敗者に、チームの1人がフリースローを5本成功させるまでハーキー(部活バスケ経験者にはお馴染みのアレである)をし続ける罰ゲームを用意したあたりは、さすが勉族だ。
20年前、つまり2003年といえばFAR EAST BALLERSが誕生した年でもあり、日本のストリートボールが胎動し始めた時期だ。代表のぬまがチームを立ち上げたのは5月3日。今回のイベントの前日がチームの誕生日で、ぬまの背番号53はこれに由来している。
そんな歴史のあるチームらしく、このイベントにはストリート草創期からシーンの発展に尽力してきた面々が揃った。珍しく試合にも出場したANちゃん(TEAM-S)は、杖をつきながらヨボヨボとコートイン。呼ばれてもいないのに缶ビール片手にフラッと現れ、空いている右手でマイクを握ったMC MAMUSHIは、シュートを打たないM21(UNDERDOG)を「福岡から何しに来た!?」とイジる。それぞれが場の盛り上げに一役買い、イベントはゆる~く、そして和やかに幕を閉じた。なお、勉族は3位に終わっている。
このイベントを開催できた裏には、3×3に深く携わっている岡田慧氏の存在がある。5年前にも15周年イベント開催を提案してきた岡田氏は、「ちゃん岡」の名前を持つ勉族の一員。今回も「あまり考えてなかったんですけど、ぜひこういう舞台でやりましょうよって言ってきてくれたし、せっかく節目の年だったんでね」と、ぬまはその提案を受け入れた。「今まで一緒にやってきた戦友の方々が揃いも揃って来てくれたんで、すごく嬉しかったですね。皆さんのおかげでできたイベントだというのが一番です」と語ってくれたぬまに、この20年間をざっくりと振り返ってもらった。
「最初の頃は若かったので、プレーの面でブイブイいわせてたと思いますし、LEGENDとかALLDAYとかいろいろありましたけど、SOMECITYで降格してから復活するまでの間はちょっと苦労したなというのもありました。そこでは他のメンバーに委ねてたところがあるんですけど、またちょっと自分が挑戦しようと思って気持ち入れて頑張って、今また舞台に立たせてもらってます。喜怒哀楽満載で、浮き沈みもあって、でもそれがないとやろうと思わないというか、それがあるからこそやるしかない。ダメになったときが一番力を入れなきゃいけない。そういう性格なのかなって、20年やってきて自分を知ることができたなって思いますね」