先日勉族の20周年についてお伝えしたが、その中にもあるように20年前の2003年はストリートボールが動きを見せ始めた時期。今回紹介するHOOP IN THE HOOD(以下HITH)もまた、その第1回チャンピオンシップが行われたのが2003年のことであった。
毎年5月5日に開催されているチャンピオンシップは、2020年と2021年こそ新型コロナウィルスの影響で中止となったものの、昨年復活。今年も例年通り5月5日に開催され、全国各地で行われた予選を勝ち上がったチームが足立区総合スポーツセンターに集結した。決して大きな体育館ではなく、それもサブアリーナでの開催だが、多くのストリートチームがこの舞台に立つことを目標にしているのは昔も今も変わりない。
HITHの代表である英氏は、B2に所属する越谷アルファーズの代表でもある。というよりは、アルファーズは英氏が経営する株式会社フープインザフッドという会社の一事業という形になっており、英氏がアルファーズを引き受けた際にその運営形態となった。今年の開催日は、そのアルファーズのプレーオフ初戦と同日になり、英氏は越谷市立総合体育館をハーフタイムに抜け出して足立に駆けつけた。
「プレーオフと重なったことと、コロナの状況や工事といった体育館事情があったので、開催日をずらそうかなとも思ったんですが、20周年ということで選手たちもそこに向けて楽しみにしてくれていたので、短縮バージョンに形を変えて開始も夕方にして、結果的にはやって良かったなと思ってます。お客さんも20人しか入れられなかったんですが、歓声が沸いてみんな盛り上がってるのを見たときに、20年続けてきて良かったという想いもありました。会場に着く前に仲間たちが準備して、僕が最終調整だけして試合ができる状態にしてくれてたので、そこも20年付き合ってきてくれた仲間たちと一緒にできたということに感謝ですね」
事業規模としてはやはりアルファーズのほうが大きいということもあり、特にコロナ禍以降は英氏もアルファーズ代表としての業務に集中していたが、HITHが復活した昨シーズンからは徐々に力点が移動。「今シーズンに関してはHITHも力を入れてやってきて、忙しいと言ってしまうと言い訳になりますが(笑)、横芝で力の入った演出ができたり、越谷のお祭りにも参加させてもらえたりして、充実感があるというか、20周年で盛り上がることができたなと思います」と、節目の年を納得するものにできた実感があるようだ。
このチャンピオンシップの前日には、冒頭に書いた勉族の20周年イベントもあった。ストリートボールの世界が年月を重ねてきた中、HITHもその黎明期で中心的役割を担ってきたことは間違いない。勉族はかつてHITHで7連覇を果たしたこともあり、ともにシーンを牽引してきたという意識もある。
「形は少しずつ変われど、20年という月日を重ねながら、勉族もしかりTEAM-Sもしかり、みんなそれぞれ頑張ってきて、僕らもそれに負けてられないなと思います。一つ残念だったのは今回勉族がいなかったことで、彼らがゲストチームでも良かったのかもしれない。ただ、みんな頑張ってるんで、これからも切磋琢磨していければと思います」