5月5日はストリートバスケ祭の日。足立区総合スポーツセンターで毎年のように繰り広げられるストリートバスケのチャンピオンを決める「HOOP IN THE HOOD」(以下HITH)は20年目を迎えた。過去にはOGN★ALL STARSなる中央大学OBチームとして小野龍猛(富山グラウジーズ)が、片岡大晴(仙台89ERS)がソルジャーの異名を轟かせたのもこの舞台だった。ハーフコート4on4バトルのHITHは、床で行われることもあってオフに入った当時のJBLやbjリーグで活躍する選手やOBがフラッと参戦することも多かった。
「20年間やってきたHITHは参加してくれるチームや来てくれるお客さん、そして仲間たちの支えでここまで来られ、本当に感謝しています。FAR EAST BALLERSもCappelloも来て、各予選を勝ち上がってきたチームと昨年のチャンピオンであるFAKE streetが揃いました。楽しいトーナメントになると思っているんで、全員で楽しんで行きましょう!」と高らかに開会宣言をしたのは、代表の英氏。もうひとつの顔として、同じ日にB2プレーオフがはじまった越谷アルファーズの代表でもある。20年間、地元に愛されるバスケ空間を創造してきた英氏が、越谷でも同様に情熱を注ぎ、B1昇格を目指す。越谷のアリーナMCであるTHE CHEESEもまた、HITHとともに20年間バスケを熱く支え続けている。越谷戦後に遅れて駆け付け、ピースフルなMCで盛り上げてくれた。
英氏が紹介したFAR EAST BALLERS(以下FEB)とは、HITH初代チャンピオンであり、3ピート(3連覇)を成し遂げたパイオニア。しかし、その後はキャラの立ったボーラーそれぞれが活躍の場を広げ、FEBとして活動していた期間はさほど長くはない。HITH参戦も実に10年ぶりとなる。
2002年、筆者は日韓ワールドカップ決勝のブラジルvsドイツ戦を、アメリカのモーテルで夜中にテレビ観戦していた。出張するハメになったのも、21年前のちょうど今と同じ季節に、AJなる一人の男が目の前に現れたからである。彼曰く、「日本にストリートボールを根付かせたい」。時を同じくして、AND1 MIXTAPE TOURのビデオがにわかに盛り上がりを見せていた。
同席した起業家の友人と目を点にしながら、具体的に何をしたいのかを探りはじめる。当時はYouTubeやSNSなどなく、露出するにはマスメディアに頼むしかない。某キー局の若きディレクターを巻き込み、ストリートボールとやらに触れるため、留学中のAJに会うために渡米したのだった。しかし、一向に何をしたいのかが見えて来ない。秋になり、AJが帰国すると仲間が少しずつ増えていったが、バスケができるような人数ではまだなかった。ドリブルで魅せるパフォーマンスを検討していたようだったので、当時は今以上ににぎわっていた「週末に代々木公園などで活動すれば良いのでは?」と提案するも、彼らが創造する姿ではない。そんなこんなで誕生したのがFAR EAST BALLERSであり、その経緯についてはこの後に登場するDJ MIKOのLINE BLOG(https://lineblog.me/djmiko/archives/9470566.html)に克明に記されているのでそちらでご覧いただきたい。