『リモートマッチ』と聞いた瞬間、eスポーツのことかと思った。国内の12スポーツリーグが所属する日本トップリーグ連携機構が、無観客試合に代わる名称を募って決まったのが『リモートマッチ』である。この機構にはBリーグとWリーグも加入しているが、6月19日より新シーズンが開幕したプロ野球は属しておらず、無観客試合と報じられていた。さすがはアメリカ発祥のスポーツである。『マッチ -match-』は個人戦またはイギリス発祥のサッカーやラグビーに用いられ、バスケなどアメリカンスポーツは『ゲーム -Game-』と呼ぶそうだ。本格的にバスケシーズンが到来する秋には、新型コロナウイルスに打ち勝ち、この代替名称を使わなくて済むことを願うばかりである。
先に挙げたeスポーツだが、FIBA(国際バスケットボール連盟)が本腰を入れはじめ、「FIBA Esports Open 2020」がプロ野球とほぼ同じ時間帯より開幕した。この模様はYouTubeなどを通じて気軽に観戦できる。世界17カ国の代表チームが出場しているが、そこに日本がいないのは残念だ。Bリーグ初のeスポーツチームであるレバンガ☆SAPPOROが、いつかは日本代表として活躍する日を待ちたい。
今大会のベースとなるゲームソフトはNBA®2Kだが、アリーナはFIBA仕様にカスタマイズされ、リアルに近づけた各国代表のユニフォームや選手のキャラクターを見ているだけでも楽しい。オーストリアvsウクライナのユニフォームはラインカラーこそ違えど、全く同じスカイブルー同士の対戦が成立していたのもeスポーツならではと言えよう。
試合時間は5分×4クォーターなので、サクサク進むeスポーツは30分ほどで決着がつく。3×3と同じくらいの時間は見やすく、ダブルヘッダーやトリプルヘッダーで試合をこなすスタイルも同じだ。
今大会の出場プレーヤーは17歳以上であり、平均年齢は23歳。フィリピン代表のDavid John Timajoが37歳で最高齢となるが、17チーム中12チームに10代のプレーヤーがおり、若い世代が活躍しているのも特徴である。
以前、eスポーツのエキシビションゲームを観戦したことがある。そのときは3人1組のプレーヤーが、フィールド上の11人を操作するサッカーゲームだった。今回よりはじまったFIBA版eスポーツは、リアルと同じく5人1組で試合が行われる。NBA®2Kのように実在するスター選手ではなく、プレーヤー自身のアバターを操作し、ゲームが展開されている。スタッツも本人の名前(ニックネーム)で表示されるので、ビデオゲームを全くしない筆者にとっても、普段のゲームを観る感覚で楽しめる。試合内容もピック&ロールやペイントアタックからのコーナースリー(3Pシュート)、アリウープなどリアルと遜色ない、またはそれ以上のプレーが飛び出し、その度に実況が絶叫していた。
1日目を終え、ヨーロッパエリアでは昨年のリアルな方のワールドカップで優勝したスペインが、eスポーツでも3連勝し好スタートを切った。一方で、リアルなFIBAランキングでは56位のオーストリアが、2勝1敗で同地区3位につけている。eスポーツの世界での勢力図が新たに決まる「FIBA Esports Open 2020」の行方を楽しみたい。
Head's still spinning. @avemario32 flying in with the 360° 💫😵#FIBAesportsOpen | @BaloncestoESP 🇪🇸
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— FIBA (@FIBA) June 19, 2020
Taking all W today! 🇱🇹🏀❤️ Gg to SWITZERLAND ✌️#mesuzlietuva 🇱🇹#FIBAesportsOpen #FIBAeSportsOpen2020 pic.twitter.com/qwxmYIr6ZI
— Svai2ka 🇱🇹 (@Svai2ka) June 19, 2020
文 泉誠一