ガンガン練習している裏側
以前はそれぞれがクラブチームで練習し、試合の時だけ集まって勉族が形成されていた。しかし今、その環境は大きく変わっていた。
「週2回、木曜と日曜に練習してます。木曜は19時半から23時までできちゃう。残りの1時間はGYMRATSが来て、きちんと試合もできています。練習は全て5on5がベース。やっぱりバスケが上手いヤツがSOMECITYでも目立つことができる。5on5も、3on3もどっちも上手くないと意味がない。だから、練習中もみんなで言い合って厳しくやってるし、そうしないと若手も育たない」
勉族を例えるならば、コミックバンド。ふざけたようなに見えるが、基礎ができていなければ絶妙な崩れ具合が出せない高度な技の持ち主。冒頭に挙げたマジック同様、仮エースやぬまも瞬間、瞬間はマジ顔になる。そこを見逃さず、本当の勉族の凄さに触れてもらいたい。
若手からの発案で、今では勉族としてクラブチーム登録が完了。そのおかげで、SOMECITY以外でも5on5の勉族を見ることができる。近々では、10月26日から始まる千葉県秋季選手権に出場。古巣柏リーブスと同じブロックというのも見物だ。
仕事・家庭・バスケ。絶妙なバランス感で全てに全力投球
仕事とバスケを両立しなければ生活できないのもまた、ストリートボールの現実。しかし、その両立を楽しんでいるのも勉族の良いところ。
「仕事や家庭をまずは大事にしてくれ、とチームには言ってます。僕もただ一生懸命やってるだけだし、そこに突き進んでいる姿を会社や家族に見せて来たことで、応援したくなってくれてるのかな、とは感じています。もちろん仕事も、家族もバスケと同じように情熱を注いでくれるから理解してくれてるのだと思うし、どれも一生懸命やりたいしね」
淡々と笑顔で話すぬまは双子も生まれ、3人の子宝に恵まれた。周りから大変では?と聞かれることも多いそうだが、「大変だと思うようならば子供なんか作るな、と言いたい」と反論し、全てに全力投球中。
SOMECITYのコートに立つことで仕事に良い影響をもたらすこともあるようだ。
「注目を浴びることはうれしいことでもありますし、何よりも自信がつきました。バスケで得た自信を仕事に生かしたり、逆もまたしかりですが、良い流れが生まれています。仕事中も自信を持って発言できるようになりました」と言っている。
土日には中学校のバスケチームをコーチしている魚住は、「SOMECITYに出てる選手たちはみんな気持ちが強いから、どういう風にバスケに臨んでいるかということを子供たちにも還元できています」何事にも一生懸命に向き合うことが、いろんなところに派生し相乗効果が生まれる。
10年間、「バスケが好き」というだけで走り続けてきた勉族。今後、若手が台頭することで、少しずつ装いを変えながらも、その根幹を揺るがすことなくバスケ好きの輪を広げていくことだろう。今後もバスケの普及活動を自然体で、勉族らしく続けて行くだけだ。
文・泉誠一