大学卒業後はクラブチームで選手に戻ってバスケットを続けていた中、3×3との出会いが人生を変えた。須賀は、「社会人なので仕事もある中で、自分の好きなことをこんなに思いきりできることってあまりない。自分の中ではリフレッシュ材料です」と楽しく向き合い、一選手としての成長を感じられることを喜んでいる。
「5人制だとセンターだったんですけど、3×3はセンターという概念がない。スクリーンを貰いにいく人ではなかったのに、それができるようになったり、オフェンスのバリエーションが増えました。ディフェンスも、今日で言えば八木さんとか吉武さんにもつかなきゃいけない状況が出てくるから、ディフェンススキルもアップして、自分にできることが多くなったなと思います」
前述の通り、大学時代はレベルの高い選手に囲まれていた。その後、Wリーグと3×3に道は分かれることになっても、同じ釜の飯を食べた仲間たちとは今でも根本的な部分でつながっている感覚を持つ。女子バスケットは20代のうちに現役を退く選手が多い中、30代を間近に控える現在の年齢までプレーを続けることは想像していなかったというが、今はただひたすらバスケットに夢中な日々だ。
「バスケを好きなのは同じだと思うんです。好きだから何歳になってもやり続けちゃう中毒性があるし、私も3×3をやるようになって、そこはみんなと同じ気持ちだったんだなって思います。大学で培ったものが何も残ってなければもう潰れてると思うんですけど、基礎とか考え方、バスケとの向き合い方を叩き込まれる4年間があったから、違う方向であれ、こうやってバスケを続けてるんだなって。
確かにここまでやると思ってなかったし、親からも『いつまでやるの』って言われるくらいなんですけど、私の同期には大学4年間の途中で辞める人もいっぱいいたんですよ。でも、途中で辞めるという選択肢は私にはなくて、実際どこで辞めたらいいのかもわからなくなってる。結局仕事も7年間同じ所に勤めてるし、自分にとって何か良くないことがあったら辞めると思うんですけど、環境に恵まれてるのか、やる場を与えてもらえてるから続けちゃうんですよね」
いつかは選手としての活動に幕を下ろす日が来る。しかし、3×3の難しさと、それ故の楽しさに心を駆り立てられ、今後の目標について「どうなんですかね、自分の中でも未知ですね」と語る須賀は、当分バスケットから離れそうにない。
「クラブチームでやってる5対5も楽しいし……でも、小学生からやってきた5対5から3×3に転向して、違うスポーツにハマった感じなんですよ。それに関してはまだ4年目だし、プレミアは2年目。新しいものにまだハマりたてというか(笑)、突き詰める部分はたくさんある、わかってないことがもっとあるんじゃないかなって思います。今日も課題が見つかったし、もう一つレベルアップできたら違う景色が見えるのかなって、それにワクワクしてます」
文・写真 吉川哲彦