今シーズンの3×3.EXE PREMIER女子カテゴリーは、8月30日がレギュラーシーズンの最終ラウンド。ラウンド7を終えたところでプレーオフの2枠を巡る争いは3チームに絞られており、その他の6チームにとってはこのラウンド8が今シーズン最後の戦いになることが決まっていた。
とはいえ、その6チームにとってもそれぞれに意味のあるラウンドであることに変わりはない。7ラウンド全て予選グループで敗退し、順位が8位となっていたTAITO OWLS.EXEは、この日の1試合目でECHAKE-NA NOTO.EXEを破ると、2試合目はTONO VALKYRIES.EXEを18-6と圧倒し、予選グループ連勝で今シーズン初めて決勝トーナメントに進むことができた。
セミファイナルはUENOHARA SUNRISE.EXEに敗れたものの、オーバータイムにもつれる熱戦だった。相手は新規参入ながら、吉武忍や八木希沙といった百戦錬磨の猛者を抱える強豪。プレーオフ進出がかかっている状況からフルスロットルで臨んだ相手と、互角に渡り合うことができたのだ。最終ラウンドでようやく爪痕を残し、7位に順位を上げて終えたチームにおいて、その中心として大車輪の働きを見せた須賀望美にこの日を振り返ってもらった。
「今までセミファイナルに上がることがなくて、チームとしてたくさんあった課題を乗り越えることができずにここまで時間がかかってしまったんですけど、最後になって自分たちのやるべきこと、やらなきゃいけないことを4人全員が把握してプレーできた1日だったと思います。今日みたいな試合ができたのは糧になるということはチームでも話をしました。でも、あそこが目標でもないですし、決勝で勝つところまでいくには乗り越えないといけないものがあると改めて感じてます」
ショットクロックが12秒しかない3×3は、プレーの選択を迷っている時間がなく、誰もが得点に絡まなければならない。その意味では、個の力で打開することも重要だ。この日、チーム最長身の須賀は2ポイントシュートのタッチも冴え、様々なシュートバリエーションで得点を重ねていった。
「ちょっといつもより積極的にやろうとは思ってました。自分がもっとボールを貰って攻める、起点になるという気持ちが一番大きかった日かなと思います。今までは、コートにいる3人で良いプレーを選択しよう、プレーをしっかり作ろうというほうにフォーカスしてたんですけど、今日に関してはわりと自我を出した日でした。良い意味で責任感を持って、それが良い方向に動いてくれたし、周りもそれに乗ってくれた感じです」
須賀は東京医療保健大学の出身で、在学中に同大のインカレ初優勝を経験しているが、4年生の1年間は主務の肩書を背負い、マネージャー業務をこなした。多くのWリーガーを輩出する強豪はチーム内の競争も激しく、須賀は出場機会に恵まれたほうではなかったものの、その中で自身の存在価値を前向きに見定めた。
「医療は戦術的なチームなので、マネージャーやスタッフがすごく大きな存在なんですけど、マネージャーがゴソッと抜けてしまって、4年生でその穴を埋める人が必要だねということになったんです。私はマネージメントのほうにも興味があったので、日本一になるための貢献方法としてマネージャー業を選びました。恩塚(亨監督)さんにコーチングを勉強させてもらいましたし、それで日本一を獲れたから、私は悔いはないです」