開幕で優勝し、昨シーズン11位からプレーオフ圏内へ躍進
3×3.EXE PREMIER 2024 -JAPAN Victoria Conference- の18チーム中12チームが、8月17日時点で7つのラウンドを終えた。1〜6位までが二桁勝利を挙げており、そのいずれもが7ラウンドまで消化しており、最終ラウンドを残すのみ。5月25日、静岡県焼津市で開幕した今シーズンのラウンド1を制し、昨シーズンの11位から現在4位と快進撃を見せているのが、兵庫を拠点に活動するEPIC.EXEである。
キャプテンの #6 一色篤は「今シーズンは選手を補強して練習頻度も高めて、チームルールも徹底してきたことが結果としてつながっています」と変化を実感する。9月に28歳の誕生日を迎える一色だが、昨シーズンまではロスターによって最年少になることが多かった。このラウンドは今シーズンよりチームに迎えた25歳の #66 ヒューゴ・ショーターと成長著しい23歳の #0 岸川達希とともに出場。「キャプテンとしてまた年上として、チームを勝たせられるような立ち振る舞いや発言はしていきたいです」と自覚が芽生える。日本語を流ちょうに操る35歳の #22 アレクサンダ・ミトロヴィチュが精神的支柱となり、ラウンド7は予選グループ2連勝でセミファイナルへ駒を進めた。
勝率では1勝多いEPIC.EXEだったが、2度優勝しているHACHINOHE DIME.EXEがポイントで上回り、ひとつ上の順位にいる。同グループとなった予選での直接対決は、大きな山場でもあった。「やらんといかんな」と一色は気合いを入れ直し、チームを奮い立たせる。劣勢をひっくり返し、20-17の逆転勝利。勢いそのままにセミファイナルのSIMON.EXE戦へ臨んだ。
直前の試合を全員で見ながら選手の特徴を把握し、抑えるべき点も共通認識できていた。しかし、ゲームがはじまると「対策していた逆を突かれてしまい、予想外の選手に2ポイントシュートを決められたり、ディフェンスのスイッチミスがあったり、チームルールの徹底ができていませんでした」とディフェンスの綻びからSIMON.EXEに出し抜かれる。11-22のKO負けでラウンド7が終わった。手中に収めているプレーオフを見据え、まだまだ成長の余地がある。
父の大きな背中を追いかけて
『愛媛・バスケファミリー・一色』と脳内検索エンジンでたどれば、1人の名将が導き出される。不躾ながら、「父=建志?」と答え合わせから取材がはじまった。
「知っている人は知っていると思いますが、一色建志です。元聖カタリナの ──」
愛媛県の聖カタリナ学園高校を全国区へ導き、女子U18日本代表ヘッドコーチとして世界と戦った後、アイシンAW(現アイシン)ウィングスのヘッドコーチとしてWリーグでも4シーズン指揮を執った。現在は聖カタリナ大学の監督となり、就任まもなくインカレ出場を果たした名将。そのご子息である篤も昨年から脱サラし、教員となって父の背中を追いかける。