身長差に関係なく勝つチャンスがある3×3の魅力(前編)より続く
コートに引かれた半円内のシュートは1点、その外側から5人制でいう3ポイントシュートは倍の2点となり、より破壊力がある3×3。パリオリンピックでも見られたとおり、ワンサイドゲームだと思って見ていた展開があっという間にひっくり返されてしまうことも少なくない。10分間しかなく、先に21点を決めればKO勝利で決着がつく3×3は、どのチームにも勝つチャンスがある。減っていく残り時間とともに、ひっきりなしに動くコート内の選手も、見ている人たちも心拍数も上がる。8月17日、3×3.EXE PREMIER 2024 -JAPAN Victoria Conference- ラウンド7が開催されたライトキューブ宇都宮は、パリオリンピック予選が行われた場所。男子優勝のオランダ、準優勝フランス、3位のリトアニアとすべてのメダリストが、女子の金メダルに輝いたドイツもここで戦った新たな聖地である。
小さいチームにとって勝利の生命線はやっぱり2ポイント
京都のZIGExN UPDATERS.EXE(以下UPDATERS)のチームスローガンは「UPDATE the YOUTH ー若者を応援ー」であり、20代の日本人選手で構成されるチーム。25歳の #4 宇田隆平は「僕らは小さく、外国籍選手やビッグマンがいない中でどういう戦い方をすれば良いかを常に話し合っています。大きな選手がいるチームに対して準備してきた戦い方を遂行でき、勝利につながりました。ディフェンスではダブルチームに行くこと、オフェンスではミスマッチを逆に突いてアタックしていくことを徹底し、良いかたちで試合できました」と予選グループ2戦目のEDEN.EXE(以下EDEN)を21-15でKO勝利し、1勝1敗。
初戦に4点差で敗れたUENOHARA SUNRISE.EXE(以下SUNRISE)を、EDENが僅差で勝利すると1勝1敗で3チームが並び、UPDATERSに準決勝進出の望みが残る。両チームによる予選グループ最終戦は10分間では決着がつかず、先に2点を取った方が勝利する延長戦へ突入。最大2点しか開かないため、EDENが勝てばUPDATERSが準決勝へ進む。祈るようにゲームの行方を見ていたが、15-13で延長を制したSUNRISEが初のベスト4進出を決めた。
現在10位(5勝10敗)のUPDATERSにとって「プレーオフ出場を目標にしていましたが、残るはあと1ラウンドしかなく、結果的に厳しい状況です。でも、昨シーズンよりも確実にレベルアップしているので、次のシーズンにつながるラストラウンドにしていきたいです」と宇田は手応えを感じ、目指すべき方向性へと着実に進んでいる。