昨年から3×3.EXE PREMIERに参戦しているALPHAS.EXEは、B2越谷アルファーズの運営会社である株式会社フープインザフッド(8月から株式会社アルファーズに改称の予定)を離れ、業務が株式会社WORMAIDに移譲された。これは東京オリンピック代表の落合知也が代表を務める会社であり、来年のパリオリンピック出場に向けて3×3に専念する落合が、ALPHAS.EXEの運営面にも力を入れることでさらなるレベルアップを図ろうという意思の表れだ。
そのALPHAS.EXEに昨年からジョインしている保岡龍斗は、今年はROUND.1とROUND.4に出場していずれも優勝を果たし、MVPに選ばれている。そして、7月15日に開催されたROUND.5も、保岡はチームを優勝に導き、3度目のMVP。イースタンカンファレンスの21チームでALPHAS.EXEが堂々の首位に立っているのは、保岡の貢献があってこそだ。
落合と同じく東京オリンピックに出場し、Bリーガーの中でも特に3×3の経験値が高い保岡だが、ROUND.5に関してはやや苦労したところもあった。多彩な得点パターンを持つ中で、アウトサイドシュートも武器の一つ。終始風が吹き続けた中で、そのシュートがリングに嫌われる場面も見られた。
しかし、そんな中でも安易に戦略を変えないのがALPHAS.EXEの強さの一端であり、保岡の良さでもある。自分たちの強みを発揮するという点において決してブレないところが、結果を出している理由だ。
「少し言い訳にはなるんですが、この風の中でプレーして自分のシュートが思うように入らなかったです。ただ、チームのコンセプトがある中で自分はシューターで、『打ち続けよう』ということは周りからも言われているので、ただ打つだけではなく、どんな状況でもアジャストしてしっかり決めるということが、自分がステップアップするためにも必要だと思ってます」
SIMON.EXEとのファイナルは、ALPHAS.EXEの強さが特によく表れた展開となった。序盤からビハインドを背負い続けながらも、終盤にひっくり返すことができたのは、ディフェンスがチームの土台となっているからだ。
「自分たちの強みは、激しくディフェンスできること。5点くらい離れた時間帯もあったんですけども、最後にそのディフェンスが相手のオフェンスを苦しめて、それで自分たちが逆転できたので、それはこれからも続けていきたいです。次のラウンドは宇都宮(UTSUNOMIYA BREX.EXE)が同じグループで、前回は勝ったといえども相手は3人だけでした。今回は4人でくると思いますので、強度の高いディフェンスをして勝っていきたいです」
運営は越谷アルファーズと切り離されたが、チームの拠点が大きく移動したわけではなく、Bリーグでは秋田ノーザンハピネッツでプレーしている保岡も、今の時期は越谷市内にある実家からALPHAS.EXEのチーム練習に通っているということだ。対人練習を週3日こなし、それ以外にも週1日シューティングしているそうで、チームとしても個人としても着実に積み上げることができているのが、今の結果に結びついている。