Bリーグのように規定数の外国籍選手を擁し、同じ条件の戦いではないのが3×3.EXE PREMIERだ。外国籍選手が増えている一方、42チーム中20チームが日本人選手だけで構成されている。現在3位のTOKYO DIME.EXEや4位のSANJO BEATERS.EXEは、日本人選手だけでもしっかりと結果を残している。無差別級の戦いが、3×3の醍醐味である。
イースタン・カンファレンスRound.2でSAITAMA WILDBEARS.EXEの小倉渓は、3×3デビューを飾った。この日のロスターで一番大きい191cmの小倉は、UTSUNOMIYA BREX.EXE戦では必然的に205cmのテオドール・アタナソフとマッチアップ。高さだけではなく、厚みもあるアタナソフとの攻防は一筋縄ではいかなかった。
「やっぱり相手のビッグマンを止めければいけなかったですし、そこに対するディフェンスをもう少し改善したいという思いがあります。オフェンスでは相手がデカい分、機動力を活かして外からのシュートを決められるように意識していました」
チャンピオンチームを苦しめる場面もあったが、結果は17-22でノックアウト負け。初戦のASUKAYAMA CHERRYBLOSSOMS.EXEに21-16で勝利したが、1勝1敗で予選突破はできなかった。
はじめての3×3を終えた印象は、「昨シーズン優勝したUTSUNOMIYA BREX.EXEはやっぱり戦い慣れているというか、他のチームと違ってディフェンスの強度やオフェンスの徹底がすごくできていました。負けたのは悔しいですが、すごく良い経験になりました」と話す小倉の挑戦は、はじまったばかりである。「5人制とは違って攻守の切り替えが速く、激しいスポーツ。もちろん体も張っていかなければ、UTSUNOMIYA BREX.EXE戦みたいに負けてしまいます」と3×3に慣れていくことが先決と言える。「どんどん経験して、5人制にもつなげられるようなプレーを目指すとともに、1勝でも多く勝ってラウンド優勝を目指していきたいです」と言うように、小倉は東京ユナイテッドBCの選手としてB3リーグでもプレーする。
3×3をはじめた動機は「オリンピックとかで3×3を見ていて、すごく興味を持っていました。自分のプレースタイルは3×3に合っているとも感じていました。自分にとっても、チャンスではないかと思いました」。東京ユナイテッドBCでは、安定したプレータイムはまだ得られていない。しかし、交代が1人しかいない3×3では必然的にコートに立たなければならず、なおかつ活躍が求められる。「1人ひとりの重要さが3×3は大事になると思っています。もう少し経験を積んで、どんどんラウンドを重ねるごとに成長していければ良いと思います」と小倉は自らの経験もチームに注ぎながら、そのケミストリーを高めていく。
UTSUNOMIYA BREX.EXEにはギバ賢キダビングが、ASUKAYAMA CHERRYBLOSSOMS.EXEの下田健太郎も、小倉と同じ白鷗大学出身である。他にも東京ユナイテッドBCの仲間でもあるブラ ブサナ グロリダ(SHINAGAWA CC WILDCATS.EXE)の姿もあり、「(2021年にインカレで)優勝しているのですでに知名度は高いと思いますが、自分が3×3に入ったことで白鷗大学の名前も広がれば良いと思っています。また、5人制では戦えない相手と一緒にゲームができることがすごく楽しい。だからこそ、やっぱり優勝したいですね」というめぐり合わせも楽しく、白鷗大学を背負うもの同士が3×3でも切磋琢磨していた。
文・写真 泉誠一