オファーのきっかけはYouTube
3×3.EXE PREMIER 2022で4連覇を飾ったUTSUNOMIYA BREX.EXEの齊藤洋介は37歳、飯島康夫は33歳。決勝を戦ったTRYHOOP OKAYAMA.EXEの長谷川聖は40歳。東京オリンピック日本代表の落合知也(ALPHAS.EXE)は35歳。3×3という競技が誕生する前から日本のストリートボーラーとしてその名を馳せてきたベテランたちが、まだまだ脅威となって牽引している。
今シーズンよりLEO BLACKS SAGA.EXEに所属し、はじめて3×3.EXE PREMIERに参戦した藤根誠。「ベテラン選手からはいろんな刺激を受けて、多くのことを吸収させてもらっています。30代でも40代でもあんなすごい動きができ、日本人でも世界に通用する部分があることを3×3でプレーして本当に実感しました」と話し、今後が期待される23歳だ。
埼玉県出身の藤根は花咲徳栄高校から拓殖大学へ進み、5人制バスケで活躍。卒業した2021年3月より、B3のベルテックス静岡で特別指定選手としてプレーし、シーズン終盤の5試合に出場。デビュー戦となった2021年4月26日の金沢武士団戦では、いきなり11点を挙げた。10分にも満たないプレータイムの中で、平均6点を記録。前途洋々かと思われた藤根だが、新たな活躍の場として昨年はYouTuber(https://www.youtube.com/channel/UCEyUi76Aq8z7AQXC1bC8N4g)に転身。思わぬ形でチャンスが舞い込んできた。
「コロナ禍のためにYouTubeを見てくれる人が多くなったこともあり、それを見たディレクターの仲西(淳)さんからオファーをもらったのが経緯です」
今年40歳となった仲西淳ディレクターは、bjリーグが誕生した2005-06シーズン、東京アパッチにドラフト1巡目指名で入団。プロバスケ選手として活躍し、引退後はライジングゼファーフクオカのゼネラルマネージャーなどを務めていた。現役時代はプロ選手として活躍する一方、オフシーズンは日本のストリートボールリーグの舞台に何度も立ってきた経緯を持つ。2019年にはLEO BLACKS SAGA.EXEでもプレーし、現在はディレクターとして強化・育成に尽力する。藤根だけではなく、NBAレジェンドのラルフ・サンプソンを父に持つロバート・サンプソンを獲得するなど魅力的な選手を揃えた。サンプソンの存在を知り、すぐさま足元を確認すれば、父と同じくプーマを愛用していた。
LEO BLACKS SAGA.EXEの環境について、「練習へ行くまでの距離もざらに1時間半や2時間かかる場合もあり、正直大変です。その中でも、みんなで助け合いながら毎日練習ができています。その練習で重ねてきたことで、ここまで上って来られたことは大きな財産です」と藤根は感謝し、3×3で頭角を現しはじめた。
チャンピオンに怯むことなく「逃げずにアタック」
B3でも通用したシュートとドライブを得意とする藤根は、「5人制とは違う対人の強度があり、1on1がメインになる3×3。5人制よりも、僕の武器を活かせるのではないか」と言うとおり、水を得た魚の如く本領を発揮する。同じSOUTHERN ISLANDSカンファレンスには、プレーオフ・ファイナリストのTRYHOOP OKAYAMA.EXEがいる。シーズン中から「優勝候補のTRYHOOPと同じカンファレンスで対戦し、そこでも通用していました」という手応えを感じるとともに、何度も勝利してきた。その結果、チームはTRYHOOP OKAYAMA.EXEの上を行くカンファレンス首位でプレーオフ進出を決めた。