「3×3がオリンピック競技であることを知ってもらい、このメンバーの中からオリンピック選手が出てくれれば光栄です」
矢野自身がスポンサーや会場を提供してくれる企業の協力を得るために営業し、大会時は運営を行いながら選手としてコートに立つ。コート内外で奔走してきた3Wファーストシーズンは、無事に完走することができた。FINALを優勝で飾り、MVPを受賞した矢野は、最後に関わってくれた全ての人々に感謝し、そして3×3への思いをコート上で伝えた。
「Wリーグの最後、どういう風に引退するかを考えたときに3×3がオリンピック競技になることを聞いて、2年前に転向しました。今でもオリンピックに出たいという夢は変わりません。(3×3の)試合が日本国内では少ない中で、自分が大会を立ち上げてポイントを獲っていくということがやっぱり大切だと感じました。周りのみんなにも協力してもらって、というか巻き込んでしまっていますが、この大会を立ち上げたことによって、今日参加した12チームだけではなく、この大会を通じて参加してくれた選手の皆さんから『オリンピックを目指したい』と言う声が増えて来ているのも事実です。実際この大会を作るのも相当苦労しました。ですが、また秋から(新シーズンを)開きたい意向でいます。このように皆さんの目に触れてもらうことで、3×3がオリンピック競技であることを知ってもらい、このメンバーの中からオリンピック選手が出てくれれば光栄です。もしそうならなくても、来年のオリンピックでは皆さんが観客として3×3会場に足を運んでもらえるだけでも、私たちはうれしいです。ぜひ引き続き、3×3会場に足を運んでもらいたいです。今シーズンはこれで終わりますが、また来シーズンもがんばって大会を作りますので、引き続き応援をよろしくお願いします」
今年3月31日、5人制とともに3×3も男女両チームが開催国枠による東京オリンピック出場が決まった。しかし、3Wが開幕した当時はまだそれは決まっていなかった。出場権を勝ち獲るためには、今年11月時点の国別ランキングで上位4位以内に入ることが最初の関門である。当時の女子は8位であり、4つのランクアップは必要だが、届かない位置ではない。矢野がコメントしたとおり、国内での試合が少ないことに危機感を感じ、ポイントを稼ぐことで日本のランキングを上げるために作ったのがこの3Wである。現在女子3×3のランキングは7位にアップしており、3Wも大きな影響を与えていた。
3W 2018-19シーズン 結果
FINAL:REXAKT(メガウェブ青海)
Round.12:SpaceBall Mag(渋谷ストリーム)
Round.11:雨天中止(お台場肉フェスコラボ)
Round.10:SpaceBall Mag(大分九州ツアーコラボ)
Round.9:REXAKT(渋谷ストリーム)
Round.8:REXAKT(越谷イオンレイクタウン)
Round.7:REXAKT(トレッサ横浜)
Round.6:SHONAN SUNS(トレッサ横浜)
Round.5:GYMRATS(ダイバーシティ東京)
Round.4:REXAKT(渋谷ストリーム)
Round.3:REXAKT(昭和記念公園/肉フェスコラボ)
Round.2:SHONAN SUNS(渋谷ストリーム)
Round.1:REXAKT(トレッサ横浜)
文・写真 バスケットボールスピリッツ編集部