シーズン最多6回優勝のREXAKTが苦しみながらもFINALを制し、初代チャンピオンに!
昨年9月29日より新たに開幕した女子3×3リーグ「3W(トリプルダブル)」。首都圏を中心に12ラウンドのシーズンを重ねてきた。冬は寒空の中での屋外開催や雨天中止に見舞われたり、フラットではないコートでの戦いを強いられる環境もあった。参加費無料かつ弁当やケアなど分厚いサポートがあり、さらに優勝賞金(毎回2000ドル、FINALは5000ドル)まで用意されているにも関わらず、シーズン当初は12チームの定員に満たないときさえあった。だが、走り続けたことで3Wが少しずつ形成され、Wリーグがオフになれば現役選手が参加し、女子3×3シーンの成長に貢献していく。5月25日、お台場にあるトヨタの体験型テーマパーク「メガウェブ」に12チームが揃い、今シーズン最後の戦いとなるFINALが行われた。
全12ラウンド中(※1回雨天中止)、GYMRATSが1回、Spaceball MagとSHONAN SUNSがそれぞれ2回、3Wの頂点に立った。残りはいずれもREXAKTが制しており、このFINALも同じ結果で幕を閉じる。REXAKTは5人制でアテネオリンピックに出場した矢野良子をはじめ、前田有香、石川麻衣、名木洋子とWリーグOG4人を揃える。昨年、ケガにより出場機会がなかった矢野以外、3人ともFIBA 3×3ランキングにおいて国内トップ10内(世界ランキングも100位以内)に名を連ねている。経験と実績ある選手を揃えたREXAKTの優勝は当然と思われるかもしれない。しかし、結果を見れば苦しい試合が続いた。
準決勝のSIMON戦はどちらも譲らぬシーソーゲームとなる。矢野の2Pシュート(※5人制でいう3Pシュート)でリードを奪ったことで、辛くも18-16で勝ち切ることができた。決勝は雨天中止となった11回大会を挟み、2大会連続優勝しているSpaceball Magと対戦。REXAKTが先手を取る展開ではあったが、SpaceBall Magはゴールに、そしてボールに飛び込みながら得点を拾っていく。対するREXAKTも着実に得点を積み重ね、21点を決めれば終わるノックアウトまであと1ゴールに迫る。
ファウルギリギリのディフェンスでボールを奪いに行くSpaceball Magがチャンスを作り、残り1分37秒で19-20と1点差まで追い上げる。REXAKTはあと1点、Spaceball Magも2Pシュートを決めれば、逆転でこの勝負を終わらせることができる。残り1分14秒、最後にネットを揺らしたのはREXAKTだった。ラストシュートを決めた矢野は、2度目のオリンピック出場を目指して3×3に転向し、自らが行動に移して3Wを立ち上げた張本人である。そんな彼女がラストを飾ったのはドラマチックであった。何度も優勝してきたREXAKTだが、勝利を決めた瞬間に見せた選手たちの涙や安堵の表情が、3Wの厳しさと成長を物語っていた。