軽い。いかにも軽い。
“現代っ子”なんて言ってはいけないのだろうけど、SNS時代の良さと相まって、プレーに見え隠れする、どこかふわふわとした軽さが気がかりだった。
しかしその軽さは次第に “軽快” となり、“軽妙” へと変化していく。
FIBA 女子バスケットボールアジアカップで日本が優勝を果たした。
2013年大会から数えて5連覇の達成である。
1965年から始まった同大会(アジア選手権時代を含む)で5連覇を成し遂げたチームはない。
強かった韓国も中国も4連覇が精一杯。
その壁を女子バスケットボール日本代表が乗り越えたのである。
しかも、銀メダルを獲得した「東京2020オリンピック」の主力メンバーのほとんどを欠いた、いわば若手のチーム編成である。
かつてであれば、あるいは “Bチーム” と呼ばれていたかもしれない。
「1.5軍」と言う人もいたかもいれない。
アンダーカテゴリー(U16やU18、ユニバーシアードなど)の日本代表でも見たことのある、どこか幼さの残るメンバーだった。
しかしゲームを重ねていき、彼女たちの発するコメントを見聞きするたびに、何か女子日本代表のバスケットが次のステージに進んでいるのを感じる。
プレースタイルの話ではない。
東京2020オリンピックで一躍注目を浴びるようになるのだけど、私たちはそこで終わらないよ、というある種の気概を、軽さのなかにも感じられるようになったのである。
これが今の日本の強さなのだろう。
若くて、経験の少ないと思われていた選手たちが “日本代表” のバスケットを遂行していく。
日本はこんなにも選手層の厚いチームだったのか。
改めてそう気づかされた。
そして、こうも思う。
これまでにないマインドセットを施した恩塚亨ヘッドコーチはもちろんのこと、それに素早く順応した選手たちを育成・強化し続けてきた各カテゴリーのコーチたちの存在も忘れてはいけない、と。
彼女たちはオリンピック直後のわずかな時間だけでチームを作り上げたのではない。
積み重ねてきた年月の中で、さまざまな関わりを持った人たちとともに、そのメンタリティも含めて強い日本を築き上げてきたのである。
まさにオール日本、日本一丸のアジア5連覇である。