アメリカは遅れていた選手のうち2人が合流したらしい。
オリンピックパークスポーツセンターでおこなわれた本日の第1戦。
アメリカのベンチにはケルシー・プラムとチェルシー・グレーが座っていた。
今年のWNBAを制したラスベガス・エーシーズの選手たちである。
といっても、彼女たちはベンチに座っているだけで、ユニフォームに着替えた様子はない。
それでも ── 前日と同じ9人のままでも、プエルトリコを106-42で圧倒してしまうのだから、その強さは推して知るべしだろう。
いや、圧倒という言葉も相応しくない。
もはや彼女たちは予選を調整の場にしている。
そう見えるほど、アメリカの強さは群を抜いている。
しかしプエルトリコもただ打たれ続けていたわけではない。
少なくとも席を立った前半終了までは、真っ向から勝負を挑んでいた。
ゴールにアタックしてくるアメリカ選手に対しても、コンタクトを辞さない勢いでブロックに飛んでいた。
彼女たちに怯むという観念はないかのようだ。
結果は散々だったが、彼女たちもまたワールドカップを戦っている。
その試合を前半で席を立ったのは、もちろん日本戦があるからだ。
きょうの相手はセルビア。
昨年のヨーロッパチャンピオン。
2006年に建国されて以来、少なくともA代表としては日本と対戦したことがない。
結果は64-69。
日本は今大会の初黒星を喫した。
そのゲームを観ていて、思い浮かんできたチームがある。
日本のプロ野球の読売ジャイアンツだ。
彼らは ”空中戦”、つまりはホームランを連発して大勝した翌日にあっさりと負けてしまう。
そんなイメージがある。
ジャイアンツファンの細君が、たびたびそうボヤくのを聞くから、たぶんそうなのだろう。
きょうの日本も、前日のように3ポイントシュートが決まらなかった。
前日は37本中16本の成功。
しかし、きょうは22本中5本しか決められていない。
それが選手たちのなかで迷いを生んだのではないか。
恩塚亨ヘッドコーチはそう見ている。
ならば、そのほかのプレーで素早く対応するのが今の日本なのだけど、そこもうまく機能しなかった。
機能しないどころか、逆にセルビアに3ポイントシュートを25本中8本も決められている。
しかも、守って、守って、あと少しで守り切るという最後の場面で決められる。
受けるダメージは大きい。
「一言で言うと、きょうはセルビアのゲームだったなと思うところがあります。最後の最後、ギリギリのシュートのところで、何本かシュートを決められてしまっていますし」
恩塚ヘッドコーチもそう認めざるを得ない。
が、そこで言葉を止めるヘッドコーチでもない。
「もちろんそれは当然私たちの甘さにも起因するんですけど、そういった流れが良くない、あるいは判定にも自分たちが思ってるよりフィジカルのところで笛が鳴らないところで、(選手たちは)思うところあったと思うんですね。そう思うところがあった中でも、自分の気持ちがぶれずに最後までプレーしきれたことは良かったんじゃないかなと思います。個人としても、チームとしても、戦っていこうっていう気概を感じました」
自らを省みつつ、そのなかで、少なくともあと3試合はある今後のワールドカップに向けて、ヘッドコーチは兆しを見つけようとしている。