アジア予選での開幕4連敗に始まり、そのあとの怒涛の8連勝で本戦出場を決め、親善試合での手ごたえと、メディアの盛り上がり。その間にNBAドラフトがあり、八村塁が日本人として初めてドラフトトップ10ピックを実現した。
この一年近くで日本代表を取り巻く環境は劇的に変わった。
そして、今回のワールドカップ本戦。
結果は3連敗だった。
しかしこれが、どうしたって動かしようのない、今の日本の立ち位置なのだ。
この日の日本対USAが、上海での予選ファーストラウンドの最終ゲームだった。
ゲーム開始が現地時間の20時半で終了が23時頃。そして会場からホテルまでのメディアバスの最終便が24時30分だ。そのバスに乗り込んだとき、さすがに身体を気怠い疲れが包んでいた。
ホテルに着いて、もう一仕事しようと夜食を買いにコンビニに出かけると、その帰りに急に土砂降りになった。
実は朝一番は快晴だったが、夕方頃には厚い雲が彼方からせり出し雷も聞こえ、一雨どころか嵐を呼びそうな、そんな空模様だったのだ。
目の前がひらけたと思ったら、次から次へと日本の前に立ちはだかる困難のように、一瞬の晴れ間の後には、また雨になる。
一難去ってまた一難。
上海の空模様のように、日本の航海の行く末は、前途洋々という訳にはいかないかもしれない。
だが、止まない雨はない。
間違いなく道は拓けているし、前進している。
アジアでも勝てなかった日本は、遥か遠い過去の彼方に置き去りにしてきたはずだろう?
このワールドカップでは、まだ順位決定戦が残っている。「死のグループ」とか「格上ばかり」とかそういう逃げ口上は通じない、さらに負けられない戦いが続くということになる。
まずは一勝を。それが後に続く道になる。
日本の世界への冒険は、今始まったばかりだ。