勝てば来年度のワールドカップ進出が決まる準々決勝。序盤、チームに勢いをもたらしたのは、これまでもうひとつ彼女らしさを出しきれていなかった長岡萌映子だった。第1Qだけで9得点をあげる。
オーストラリア戦で活躍した宮澤夕貴は得点こそ3点だったが、ユーティリティな活躍で良いつなぎをした。
チーム状況を鑑みて、トム・ホーバスヘッドコーチが試合前から起用を考えていたという水島沙紀。オーストラリア戦のDNPを払拭する活躍を見せた。第2Qだけで11得点をあげている。
ハーフタイム、調子の上がらない大崎佑圭に、トム・ホーバスヘッドコーチがアドバイスを与える。JX-ENEOSサンフラワーズで8年間一緒に戦ってきた間柄だけに、お互いがわかりあえている。
仕切り直しの第3Q。リードの3点はあってないようなもの。改めてチームで戦うことを認識して、リスタート。
本人は「大丈夫」と言い切るが左ヒザのテーピングが、今の吉田亜沙美の状態を表しているように思える。それでもキャプテンとして、ポイントガードとしてチームを引っ張る。
今日の長岡萌映子はとにかくゴールに向かって走り抜いた。トム・ホーバスヘッドコーチも「モエコがしつこく走った」と、彼女の速攻での貢献を称賛していた。
安定した力を淡々と出す高田真希。吉田亜沙美、大崎佑圭をベンチに下げても、高田だけは下げないのは、ケガの状態もよく、安定していることを評価されているのだろう。
今大会、ノリにノッている藤岡麻菜美。切れ味鋭いドライブはアジアでは止められる選手がいないくらい。ビッグマンに対するシュートバリエーションも多彩。
73-57でチャイニーズタイペイを破り、準決勝進出。同時に来年度のワールドカップへの出場権を獲得した。
文・写真 三上 太