昨年まで男子日本代表チームを率い、選手たちにリーダーシップを説いて世界へと導いた名将・長谷川健志氏。文字数制限ある誌面では伝えきれなかったリーダーシップ論をさらにご紹介していきたい。その前に、本誌に登場した「トリプルドラゴン(橋本竜馬・篠山竜青・小野龍猛)」は、いずれも長谷川氏が日本代表ヘッドコーチ時代にキャプテンを任せている。その3人の印象について聞いてみよう。
小野 龍猛(千葉ジェッツ)
同年代の選手たちに比べると大人っぽく、そこにリーダーシップがあります。小さいことに目が行き届き、自分より年上にも年下でも分け隔て無く幅広くつきあえるタイプ。本来みんなそうでなければいけないですが、特に龍猛はそういうところが長所です。みんなをガーッと引っ張っていくタイプではないですが、言われなくても何かをしようと自ら行動に移しています。たぶん、それは子どもの頃から身についている習性だと思いますし、私はそれが好きな方です。ガーッといかない割には導く能力があります。絶対、小さいときに良い意味でも悪い意味でもガキ大将だったんだと思います。それでいて私らコーチ陣にもきちんと意見を言えるし、話し合ったことを他の選手たちにもしっかりつないでくれました。
篠山 竜青(川崎ブレイブサンダース)
行動で引っ張るタイプ。自らのプレーでハッスルして盛り上げながら、リーダーシップを発揮してくれます。バスケットはポイントガードの背中を見てディフェンスします。つまり、その背中がハッスルしてなかったら、後ろにいるみんなもがんばることができない。逆に、その背中がすごくがんばっていれば、後ろにいる選手たちはがんばらないといけないと思うわけです。そのことはいつもポイントガードの選手たちには伝えてきました。戦う姿を示すことについては、竜青なんて最たるものです。竜青は持って生まれた明るさがあり、リーダーシップにとっては必要なことです。