Text & Photo by T.Narukami
いよいよ勝負の決勝トーナメントがスタートする、女子日本代表。
1つしかないリオデジャネイロ行きの切符を掴むために、アジア選手権を戦っている最中だ。
予選リーグを見事5戦全勝で勝ち抜き、予選リーグ1位で絶対に負けられない戦いに挑んでいく。
そんな代表の中で北海道生まれ、札幌山の手高卒、しかも同い年のプレイヤーがいる。
本川 紗奈生と町田 瑠唯の2人だ。
2人ともコートでは自分の持ち味を発揮し、チームの勝利に貢献。
町田はセカンドのポイントガードながら、持ち味のスピードでチームの重い雰囲気を変えていた。
本川は「誰にも止められないのではないか!?」という素早いドライブで相手ディフェンスを掻き回し、オフェンスでの大きな起点となっていた。
同じ“道産子”として、どうしても話が聞きたい……そんな思いで向かった、国立競技場代々木第二体育館。8月16日(日)、国内最後の日本代表強化試合を3連勝で飾った2人に話を聞いた。
#14 本川 紗奈生(もとかわ さなえ)
──同じ北海道生まれで、札幌山の手高校時代のチームメイト(同学年)である町田選手がいるというのは心強いですか?
本川:心強いというか、いろいろな面で支え合いながらやっています。やはり、一緒にコートに出たら分かり合えるというか、そういう意味では凄くやりやすいです。
──道産子といえば“粘り強くて、しぶとい”。そういう意味で、諦めずにドライブを仕掛け続けたりするプレイなどは、リオオリンピックの切符を掴むための大きなファクターになると感じました。その点、ご自身はどのように感じていますか?
本川:高校の時から、(諦めずに)ドライブやルーズボールを狙ったり、ディフェンスも気持ちで負けないようプレイしたりという部分を教わってきました。それがあるからこそ今、こうやってできていると思います。
──リオオリンピックに行く自信は?
本川:もちろん! それはもちろん、行くことしか考えていないです。
#13 町田 瑠唯(まちだ るい)
──本川選手にもお聞きしましたが、日本代表に同じ高校出身、同じ道産子がいるのは心強いですか?
町田:(彼女の存在は)すごく大きいですね。本川選手はスタートで出ているので、強い責任感でコートに立っていると思います。その姿を見ると、「自分も頑張らなきゃ」と励みになりますから。良い影響を受けながらプレイしています。
──町田選手の存在は、料理に例えると「美味しい料理になるための最後のスパイス」だと思っています。リオオリンピック出場に向け、キープレイヤーになると感じていますが、そのような言葉を聞いてどのように感じますか?
町田:そんな風に言われたのは初めてですね(笑)。自分ではそうは思っていなかったので、とりあえず、自分がコートに出た時は自分の役割をしっかりやる。それがチームのプラスになると思ってプレイしています。『最後のスパイス』という評価をいただくのはすごく嬉しいです!
──今回の代表チームの中で町田選手は若手の1人です。道産子の道民性は、「粘り強さと人懐っこさ」という一面があると思いますが、いじられ役だったりしますか?オフコートでは率先して雰囲気づくりをするんでしょうか?
町田:いえ、そういうのは自分、あまり得意ではないので……どちらかというと本川選手のほうが甘えん坊なので、先輩方に可愛がられてコミュニケーションはとても上手です。私は人見知り、ということもあるんですけど(笑)、チームの雰囲気は良いです。
──オーストラリア、ニュージーランド遠征を経て、このゲームも含め良いチームコンディションでアジア選手権に臨めるのではないですか?
町田:チームの状態は凄く良いですし、皆が自信を持ってオリンピック予選に挑めると思います。さらに、このチームに渡嘉敷(来夢/#10)選手が加わりますが、私は一緒にプレイをするのは初めてなんです。ちょっとドキドキしていますが、短い練習期間でしっかり(チームプレイを)合わせていけるようにしていきたいです。
──最後に、リオオリンピックに行く自信は?
町田:あります!
──確率は100%?
町田:頑張ります!
さぁ、いよいよ運命の準決勝。相手は奇しくも、2人にインタビューした時、「国際強化試合2015」で3連勝した、チャイニーズ・タイペイだ。しっかりと勝利を掴み、最後はアジアの頂点を掛けた戦い、連覇が懸かる決戦、リオオリンピックの出場権を掴みとる勝負に挑んでほしい。きっと2人には、バスケの神様は微笑んでくれるはずだ。
大会特設サイト http://fac_women2015.japanbasketball.jp/
大会公式サイト http://www.fiba.com/asiawomen/2015