日本バスケのテレビ放送待望論が絶えない中、毎年恒例の地上波放送の季節がやって来た。
元日から熱戦を繰り広げているオールジャパン(天皇皇后杯)は、クライマックスを迎える皇后杯女子決勝1月12日(日)、天皇杯男子決勝1月13日(月)の二日間、NHK Eテレでいずれも15時より生中継される。
この二日間だけでも観客席を埋めて盛り上がっているように見せること、そして視聴率を上げることがバスケ界の明るい未来につながる第一歩。継続的にテレビ中継してもらうためにも貴重なチャンスなのだ。
会場を埋めて熱気を放て!
できれば前売でチケット完売になることが理想であり、会場を満員にすることが重要である。
元日に行われたサッカー天皇杯決勝の舞台となった国立競技場は46,599人満員。しかも、決勝の対戦カードが決まったのは3日前の12月29日。それにも関わらず、前売で全席チケット完売となった。
オールジャパン決勝戦のチケット状況を「チケットバスケット」で確認したところ、1月13日(月)男子決勝のアリーナ席はすでに完売!パチパチ(拍手)。
だが、1月12日(日)女子決勝や男子決勝も自由席は余裕があるようなので、ぜひとも残る席を埋めていただき、地上波放送されるハレの舞台を熱気でデコレーションしよう。
NHK Eテレでの生中継以外にも、テレビカメラは入り、夜のニュースでも扱われるのがオールジャパン。また、テレビもさることながら、結果しか新聞掲載されない国内バスケにおいて、オールジャパンはしっかり記事も掲載されている。会場が埋まれば、その盛り上がりもトピックスとなり、全国に伝わるはずだ。
選手のスタッツ同様、地上波で放送されるとバスケファンも視聴率という数字を残すことに協力できる。
ここでガツンと高い数字を残せば、テレビも日本のバスケを放っておけない存在に急浮上!?
ビデオリサーチで閲覧できる過去3年分のバックナンバーを見返してみると、オールジャパン決勝開催日の週間視聴率「スポーツ部門」ベスト10にさえ入っていないのが現状である。
昨年の男女決勝日をまたぐ関東地区週間視聴率「スポーツ部門」ベスト10を見ると、同時間帯に行われていた高校サッカーが4.9〜6.7%。最高視聴率はNHK「大相撲初場所」14.1%。10位はテレビ東京「釣りロマンを求めて」4.0%。年々、10位の視聴率が下がっているが、オールジャパンも5%を越え、6%台に乗せてバスケの名を視聴率トップ10に刻みたい!
同じ日にテレビ放送されるライバル競技をチェックしておこう
- 皇后杯女子決勝:1月12日(日)NHK Eテレ15:00放送開始
・第32回全国都道府県対抗女子駅伝(NHK総合/12:15〜15:10)
・大相撲初場所 初日(NHK総合/15:15〜18:00)
・第50回全国大学ラグビー選手権 決勝「帝京大×早稲田」(NHK Eテレ/13:00〜15:00)
・ジャパネット杯春の高校バレー2014 男子決勝 (フジテレビ/13:30〜14:55)
・みんなのKEIBA (フジテレビ/15:00〜16:00)
・ジャパネット杯春の高校バレー2014 女子決勝 (フジテレビ/16:00〜17:25)
・FISジャンプワールドカップレディース2014札幌大会 (日本テレビ/15:10〜16:25)
・高校サッカー国立最蹴章 あす決勝SP (日本テレビ/16:25〜17:25) - 天皇杯男子決勝:1月13日(月)NHK Eテレ15:00放送開始
・おしえて柿谷曜一朗選手!(再)(NHK総合/13:05〜13:35)
・大相撲初場所 2日目(NHK総合/15:05〜18:00)
・第92回全国高校サッカー選手権 決勝 (日本テレビ/14:00〜16:10)
・2014 HBCカップジャンプ(TBS/15:55〜16:53)
大相撲初場所は昨年同時期のトップを誇る定番国技。しかし、人気や実力ある力士が登場する17:00以降に視聴率が跳ね上がるので、それまではEテレでオールジャパンを見てもらおう。そのためにも熱い試合をせねばなるまい。
高校スポーツは地域密着のキラーコンテンツ。サッカーとバレーの高校全国大会決勝が裏番組にあり、さらにソチ五輪日本代表に決まったばかりの高校生・高梨沙羅選手が出場するFISジャンプワールドカップレディース2014札幌大会も加わり、苦戦しそうな女子決勝。
月曜日に再放送される「おしえて柿谷曜一朗選手!」の初回は5.8%で12月23日〜29日の視聴率スポーツ部門第8位にランクイン。ライバル少ないマンデースポーツだが、柿谷選手の番組以外は全てが同時間帯に放送される激戦区。高校サッカーが早い段階で点差を離すような試合展開になれば、15時スタートの男子決勝に流れてくる可能性もあるかも…。
視聴率を獲得するためにはどのチームが勝ち上がるべきか?
女子チームの中で集客力が高いのはJX-ENEOS。新聞広告にチームを起用したり、43年振りのアジアチャンピオンになった日本代表が4人もおり、メディア露出も多い。年末の日本テレビ出演や元日の日経新聞にも渡嘉敷来夢選手が特集されていた。知名度高いJX-ENEOSは集客でも視聴率でも、稼ぎ頭になってくれるはずだ。
対抗となるチームはどれも大手企業。トヨタは昨年の優勝時には社長が会場に駆けつけ、新聞記者などにとっても注目の的となっていた。裏番組ひしめく女子決勝。ならば企業の力で動員し、会場を埋めることに注力したい。
女子準決勝/1月11日(土)
13:00 富士通 vs トヨタ
15:00 JX-ENEOS vs 三菱電機
代々木第二体育館が満員となり、熱戦が繰り広げられた昨シーズンのJBLファイナル。「なぜテレビ放送が無い」という怒りのコメントも多く見たアイシン三河vs東芝神奈川戦の再戦が、一番先に挙げられる。アイシン三河は会社が応援バスを送り込むなどサポート体制は万全だが、このアイシンも含めたトヨタグループは成人の日も会社は稼働日。ゆえに社員がゆっくり家でTV観戦することも、会場に来ることも一筋縄ではいかない。さらにアイシンとは違い、トヨタ東京の動員サポートは2年前の優勝した時を思い出してもさほど期待はできない。ならば、NBL開幕戦で2,523人を集めたトヨタ東京ファンが、再び詰めかければ良い話だ。東京ホームの意地を見せてくれ!
ファンに期待したいのは、唯一勝ち上がっているプロチーム和歌山。そして一番会場から遠い和歌山は、テレビのニーズは高いはずだ。和歌山県の人口は約98万人、約40万世帯。視聴率1%につき関西地区は約7万世帯と言われているので、全世帯が観ればそれだけで5.7%。目標の6%にグッと近づく。
トヨタグループと東芝グループの従業員数は合わせて50万人を越え、和歌山の世帯数を上回る。トヨタは稼働日だが、家に残る家族はテレビ観戦が可能であり、「お父さんの会社のバスケチームはスゲーんだ!テレビで観ろよ」と伝えて家を出れば、自ずと視聴率は上がるのではないか?ならば、トヨタ東京vs東芝神奈川も視聴率UPの大きな戦力になるぞ。
男子準決勝/1月11日(土)
17:00 アイシン三河 vs トヨタ東京
19:00 和歌山 vs 東芝神奈川
天皇、皇后の冠が付く日本一決定戦オールジャパンは、テレビ中継がありメディアも多く集まる大会。どこが勝ち上がって来ようが、やっぱり注目される。
歴史ある天皇皇后杯にふさわしい最高峰の戦いをし、テレビ観戦者がバスケを見直してくれれば成功。さらに、シーズン再開後、会場に足を運んでくれれば大成功!
週間天気予報によると東京地方の今週末は、3日間とも晴時々曇。昨年のような雪景色にはならなそうなので、前売チケットを買って会場で日本一決定戦を堪能するのが一番だ。
寒い季節なので、余計にテレビで観たいという“ぐうたらマインド”が働いてしまう筆者のような方は、視聴率6%以上獲得に貢献しよう!
東日本大震災復興支援
第89回天皇杯・第80回皇后杯 全日本総合バスケットボール選手権大会
泉 誠一